佐々木朗希はなぜ地区シリーズで異次元の投球を見せたのか?
2025年のナ・リーグ地区シリーズ第4戦。ドジャースは相手の失策によって劇的なサヨナラ勝利を収め、リーグ優勝決定シリーズ進出を決めました。
しかし、真の主役は8回から登板し、3イニングを完璧に抑えた佐々木朗希投手です。
フィリーズ打線の中核、シュワーバー、ハーパー、ボームをわずか8球で仕留め、9回・10回も圧巻のパーフェクト投球。
米実況では
と称賛されました。
この短期間で何が起こったのでしょうか? その裏には、30歳の“投手オタク”による驚くべき改革がありました。
佐々木朗希のフォームにあった「骨盤」の問題とは?

ドジャースのピッチング・ディレクター、ロブ・ヒル氏は佐々木のフォームを解析し、2022年の完全試合時と比べて球速が約10キロ低下している点に注目しました。
原因は
にありました。
好調時は右膝を曲げてタメを作り、左足にしっかり重心を乗せることで下半身の力をボールに伝えていましたが、2025年は右足が伸び、骨盤が前に倒れ、エネルギーが逃げていたのです。
ヒル氏は即座に右足を曲げる動作と「UP, DOWN, OUT」という簡潔な動作キーワードを提示。
- UP:左足を大きくキック
- DOWN:沈み込みで体の開きを抑える
- OUT:力を一気に伝える
この修正によって、佐々木はブルペンで即座に95〜97マイル(約153〜156キロ)を計測。
わずか数回のセッションで本来の球威を取り戻しました。
ロブ・ヒルとは誰?プロ経験ゼロの“投手オタク”の正体とは?

ロブ・ヒル氏はプロ経験がないにもかかわらず、メジャー屈指の動作解析のエキスパートとして知られる存在です。
大学時代に肩を故障したことをきっかけに、シアトル近郊の
で動作解析にのめり込み、19歳で通い始め、卒業後はそのまま研究者としての道を歩みました。
2019年にはカーショーら一流投手の信頼を獲得し、ドジャースが24歳で招聘。
以後、科学的なアプローチと映像解析によって多くの投手を再生・進化させてきました。
実はヒル氏は千葉ロッテ時代から佐々木の登板を毎週映像でチェックしていた“ファン”でもあり、9月上旬に本格的なフォーム修正を開始しました。
ロバーツ監督が明かした「自己流の天才」佐々木朗希とは?
デーブ・ロバーツ監督は
と語っています。
高校でも、ロッテでも、そして他球団でも与えられなかった 「処方箋」
を、ドジャースはヒル氏を通して与えました。
結果、佐々木は復活どころか、新しいステージに突入。
先発陣が揃うドジャースにおいて、ブルペンという“弱点”を補う切り札として自ら配置転換を快諾し、ポストシーズンでチームの運命を変える存在となっています。
ドジャースが示した育成力の本質とは?
ドジャースは大物スターが集う球団でありながら、選手の課題を正確に把握し、的確な技術指導とコミュニケーションで成長を導く力を持っています。
ヒル氏と佐々木の出会いは、まさにその象徴的な瞬間でした。
他球団では成し得なかった再生プロジェクトを、短期間で成功させた背景には、科学と情熱、そして明確な戦略がありました。
佐々木朗希復活したのはなぜまとめ
佐々木朗希投手の復活劇は、単なる一人の天才の話ではありません。
・フォーム解析による「骨盤」の修正
・プロ経験ゼロのピッチングオタクによる科学的指導
・自己流の天才が初めて受けた本格的な“処方箋”
これらが結びつき、2025年ポストシーズンのドジャースに新たな物語を生み出しました。
リーグ優勝決定シリーズ、そしてその先の舞台で、佐々木がどんな結末を描くのか注目が集まります。
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よくある質問(Q&A)
Q:佐々木朗希の球速が落ちた主な原因は何ですか?
A:右膝の使い方の変化により骨盤が前傾し、下半身の力をボールに伝えられなくなったことが主な原因です。
Q:ロブ・ヒル氏はなぜ短期間で修正できたのですか?
A:佐々木のフォームの問題が「ハードウェア」ではなく「ソフトウェア」的なものであり、関節の位置と動作の意識を変えるだけで改善可能だったためです。
Q:佐々木はなぜブルペン転向を受け入れたのですか?
A:自らの復調をきっかけに、チームのために貢献する道としてブルペンでの役割を前向きに受け入れました。
Q:ロブ・ヒル氏はどのような経歴を持っていますか?
A:プロ経験はなく、大学時代の故障をきっかけにドライブラインで動作解析を学び、24歳でドジャースに招聘された異色の経歴を持ちます。