ドジャースは2025年ワールドシリーズを4勝3敗で制し、球団史上初の2連覇を達成しました。
しかしその裏で、レギュラーシーズン中の「たった1敗」が約2300万ドル(約35億4200万円)の収益機会を失わせた可能性が指摘されています。
この記事では、その“1敗”がどのように巨額損失につながったのかを、スポーツビジネス視点から分かりやすく解説します。
なぜ「8月10日の1敗」が巨額損失につながったのか?

2025年8月10日(日本時間11日)、本拠地ドジャースタジアムで行われたブルージェイズ戦。
試合は4-4の同点で迎えた9回表に勝ち越し弾を浴び、裏の攻撃では1死満塁と絶好機を作ったものの、大谷翔平選手とムーキー・ベッツ選手が凡退し、4-5で惜敗しました。
一見すれば162試合あるレギュラーシーズンの中の“ただの1試合”。
ところが——
その後の最終成績は以下の通りになります。
- ドジャース:93勝69敗
- ブルージェイズ:94勝68敗
この“1勝の差”によってブルージェイズがワールドシリーズのホームフィールドアドバンテージを獲得。
もしドジャースがこの1試合に勝っていれば、本拠地開催試合が「3試合 → 4試合」に増えていた可能性が高いという指摘が生まれました。
本拠地が1試合増えるといくら儲かるのか?

ワールドシリーズのドジャースタジアムには、平均で5万2,460人の観客が来場しました。
招待枠を差し引くと、チケットを購入した観客は約5万人と推定されます。
1人あたりの収益を計算すると——
- 平均チケット価格:約400ドル
- 飲食費:約40ドル
つまり1試合あたりの直接収益は
400ドル+40ドル=440ドル × 5万人=約2,200万ドル(約33.8億円)
さらに、駐車場や関連売上を加えると
約2300万ドル(約35.4億円)の収益増が見込めた
という試算になります。
この差が「8月の1敗によって失われた収益」として語られているのです。
なぜこの“1敗”が「興味深い」と評価されるのか?
このエピソードが注目を集めている理由は以下の通りです。
- ドジャースは総年俸3億5000万ドル、球団価値69億ドルという巨大組織
- それほどのビッグクラブでも「たった1試合」で数十億円の差が生まれる
- レギュラーシーズンの1敗がポストシーズンの収益構造に直結するという示唆
つまり、スポーツビジネスの“勝敗と収益の連動性”という構造を象徴する事例である点が、非常に興味深いと評価されているのです。
ドジャースは今後どう活かせるのか?
この事例から、球団経営や戦略面で得られる示唆は大きいです。
- 直接対決の1戦に潜む“経済価値”を理解する
- シーズン後半の1勝がホーム開催数、収益規模に直結し得る
- ホーム開催試合がもたらす複合的収益(チケット・飲食・駐車)の重要性
- 勝利=収益というシンプルな構図以上に、積み上げ型の経営効果を意識する必要性
まさに“1勝の価値”を可視化する象徴的なケースと言えるでしょう。
ドジャースが失った約35億円まとめ
ドジャースが2025年に成し遂げたWS2連覇は偉大な成果ですが、その陰には「8月10日の1敗」がもたらした約35億円規模の機会損失がありました。
レギュラーシーズン中の1試合が、後のポストシーズンの収益、観客動員、球団のビジネス構造に大きな影響を与えるという事実は、スポーツビジネスにおいて極めて示唆に富むものです。
勝利と収益の連動性を可視化した今回の事例は、球団経営における“1勝の重み”を改めて示す内容となっています。
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よくある質問/Q&A
Q1:本当に1試合でそんなに収益が変わるのですか?
A1:ワールドシリーズはチケット価格が高く、飲食・駐車場など複合的な収益が発生するため、1試合あたりの収益インパクトは数十億円規模になることがあります。
Q2:ドジャースほどの球団でも35億円は痛手ですか?
A2:球団規模から見れば致命傷ではありませんが、ビジネス視点では“得られたはずの収益”が消えた点が重要です。
Q3:このようなケースは他球団でも起こり得ますか?
A3:はい。ホーム開催が収益を左右するスポーツでは、多くの球団に当てはまる構造です。
Q4:ファンとして知っておくメリットはありますか?
A4:球団経営のリアルを知ることで、シーズン中の1試合の価値や、チームが勝利にこだわる理由をより深く理解できます。

