大谷翔平選手がNLCS第4戦で記録した「1試合3本塁打」は、感覚的に“ヤバい”だけでなく、確率論で見てもほぼバグに近い現象です。
- MLB全体での1試合3HRのレア度
- ポストシーズン、さらにNLCSというステージでの難度
- 打球データや確率モデルから見た“大谷3HR”の異常性
を、ファンにも分かりやすく、かつデータ好きにも刺さる形で解説していきます。
MLB全体で「1試合3HR」はどれくらいレアな出来事なのか?

まずはベースラインとなる「レギュラーシーズンでの1試合3HR」のレア度から見ていきます。
MLBレギュラーシーズンでは、
- 年間試合数:約4860試合
- そのうち1試合3HR達成は “年間20〜30回” 程度
とされています。これを単純に確率にすると、
- 確率:約0.4〜0.6%
- おおよそ 200〜250試合に1回 の頻度
というイメージになります。
つまり「誰かが1試合3本塁打を打つ」という事象自体、
そもそも通常のレギュラーシーズンでもかなりレアなイベントなのです。
個人視点で見たとき1選手の「1試合3HR」はどのくらいの価値があるのか?
チーム単位ではなく、1人の打者目線で考えると、この価値はさらに跳ね上がります。
- 出場選手は1試合あたり18人(両軍スタメン野手)前後
- その誰かが3HRを打つ確率が0.4〜0.6%
とすれば、「特定の1人」が3HRを打つ確率は、そのさらに1/18程度と考えられます。
超ざっくりですが、数千試合に一度クラスの出来事と見ても不思議ではありません。
大谷翔平はシーズンを通して本塁打確率が高い打者ですが、それでも「1試合3発」は、
日常的に起きるものではなく、明確に“事件クラス”のパフォーマンスと言えます。
ポストシーズンでは1試合3HRの難度はどれくらい跳ね上がるのか?
では、これがポストシーズンになるとどう変わるのでしょうか。
ポストシーズンの1試合3HRは、レギュラーシーズン以上に条件が厳しくなります。
- 対戦投手はほぼ全員エース級・勝ちパターンリリーフ
- 1球ごとの配球精度が異常に高い
- 球場全体の緊張度・プレッシャーが段違い
- 采配もシビアで「明らかな穴のある投手」が出てこない
この環境下で、歴史的に見ても
- ポストシーズン全体での3HR試合は「わずか十数例」レベル
- 試合数に対しての割合は 0.07%前後(約1400試合に1度)
とされています。
なぜポストシーズンの3HRは“レギュラーシーズンの10倍難しい”と言えるのか?
レギュラーシーズン:0.4〜0.6%
ポストシーズン:0.07%前後
と比較すると、単純計算で約5〜10倍ほど達成難度が高いことになります。
- 投手のレベル
- 配球の質
- 1球の重み
すべてがレギュラーシーズンよりも数段上がる中で3本塁打を打つというのは、
「普段なら200試合に1回」のイベントが、「約1400試合に1回」まで遠ざかるイメージです。
NLCSという“リーグ決定戦”での3HRはどれだけ別格なのか?
次にステージをさらに絞って、「NLCS(ナ・リーグ優勝決定シリーズ)」という舞台で考えます。
NLCS/ALCSレベルになると、戦っているのはその年のリーグ最強クラス同士です。
- 投手陣は先発から抑えまでほぼ“バグレベル”の精鋭
- スカウティング&アジャストもシリーズ中に極限まで進んでいる
- 1球でシリーズの流れが変わるため、配球がより慎重&高度化
このステージでの「1試合3HR」は、歴史的にも数えるほどしか存在しない“幻のイベント”です。
ざっくりモデル化すると、
- NLCS/ALCSでの3HR確率:0.01〜0.03%
- つまり 3000〜1万試合に1回レベルの難度
と表現しても大げさではありません。
「ポストシーズンで3HR」だけでも十分バグなのに、
“リーグ優勝決定シリーズで3HR”という時点で、すでに歴史級の出来事だと言えます。
なぜNLCS“第4戦”というシチュエーションがさらに確率を下げるのか?
ここから、さらに条件を絞って「NLCS第4戦」での3HRにフォーカスしていきます。
第4戦まで来ると、両軍ともお互いの情報を極限まで持っています。
- 相手はシリーズ第1〜3戦で“大谷対策”を徹底的に蓄積
- 投手起用はほぼ総動員体制で、明確な弱点投手が出にくい
- スカウティング報告により、球種配分・コース傾向は丸裸
- 打席のほぼすべてが「試合を決める勝負どころ」
つまり大谷が打った3HRは、
- 「同じ投手から3発」ではなく
- “完全対策済みのNLCS第4戦で、複数投手をまたいで3発”
という、極めて難度の高い条件付きホームランなのです。
普通の3HRよりも、
- 対策の緻密さ
- 投手のレベル
- シチュエーションの重さ
を考えると、理論的には“ポストシーズン3HRの中でも最上位レア”の部類に入ります。
打球データから見た“大谷3HR”の異次元さとは?
確率だけでなく、あなたがいつも重視している「打球質」の視点で見ても、大谷の3HRは異常値です。
モデル的に整理すると、大谷の3HRは、
- 3本とも 打球速度EV 110mph級
- 打球角度はすべて 25〜30度の理想ゾーン
- ゾーンの違う球を3種類仕留めている
- 球種の読みがほぼ完璧
- インコース・アウトコース問わず“両取り”
という、教科書のような内容です。
一般的な「1試合3HR」との決定的な違いはどこか?
通常、3HR達成例を細かく見ると、
- 同じ投手から
- 同じような球種・似たコースを
- コンディションや相性で一気に仕留めた
といった“ハマりパターン”が多いです。
しかし大谷のケースは、
- 相手の対策前提で、違う状況・違う球種・違うコースを3本仕留めた
という点が決定的に違います。
つまり、
- 「1回ハマった」のではなく
- “3回連続で高難度の状況をクリアした”
と言っていい内容で、成功確率はさらに低くなります。
確率モデルで“大谷3HR”を数値化するとどれくらいのレア度になるのか?
最後に、簡易的な確率モデルで“大谷3HR”のレア度を数値化してみます。
1打席あたりのHR確率をどう設定するか?
仮に大谷翔平の2025年シーズンを、
- 本塁打数:52〜55本
- 試合数・打席数から逆算した「1打席HR確率」:約7.5〜8.0%
とモデル化します。ここでは便宜上 8%(0.08) とします。
4打席で「ちょうど3HR」を打つ確率は?
4打席の結果を“HR or それ以外”の二択として考えると、
- HR確率:0.08
- 凡打などその他:0.92
4打席で3HRが出るパターンは、
- HR-HR-HR-凡打
- HR-HR-凡打-HR
- HR-凡打-HR-HR
- 凡打-HR-HR-HR
の4通りです。
したがって確率は、
- 1通りあたり:0.08³ × 0.92
- それが4パターン → (0.08³ × 0.92) × 4 ≒ 0.0019
つまり、
- 約0.19%
- ざっくり「500試合に1回」レベル
という結果になります。
これがあくまで “レギュラーシーズンの普通の投手相手” を想定した場合の数字です。
ポストシーズン&NLCS第4戦の“難度補正”をかけるとどうなるか?
現実には、
- ポストシーズンの投手レベルはレギュラーシーズンより数段上
- NLCS第4戦ともなれば、対策・プレッシャー・投手の質はMAX
と考えられます。
そこで、感覚的な補正として
- 投手レベル・状況補正:レギュラーシーズンの1/5〜1/10の難易度
と仮定すると、
- 0.19% × (1/5〜1/10)
- → 0.019%〜0.038%
つまり、
- 約2600〜5200試合に1回レベル
という、ほぼ“起きない”領域の数字になります。
NLCS第4戦大谷翔平3本塁打確率的に異常まとめ
ここまでの内容を整理すると、
- MLB通常の1試合3HR確率:0.4〜0.6%(約200〜250試合に1回)
- ポストシーズン全体での3HR:約0.07%(約1400試合に1回)
- NLCS/ALCSレベルでは:0.01〜0.03%(3000〜1万試合に1回クラス)
- さらに「大谷翔平×NLCS第4戦×対策済み投手陣×3本とも理想打球」という条件でモデル化すると:
→ 0.02%前後(約2000〜5000試合に1回級)
となります。
言い換えると、
- 🟦 「NLCS第4戦 大谷翔平 3HR」は“2000〜5000試合に1度”クラスの異常事象
- 🟥 確率的には、“ポストシーズン史上トップクラスのバグ級パフォーマンス”
という評価が妥当です。
感覚的に「え、こんなの現実で起きていいの?」と感じたファンの直感は、
確率論・データの視点から見ても、しっかり正しかったと言えるでしょう。
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【よくある質問/Q&A】
Q1. 大谷翔平の3HRは、ポストシーズン全体でもどれくらいの歴史的価値がありますか?
A. ポストシーズンでの1試合3HR自体がそもそも十数例レベルの激レアイベントです。さらにNLCS第4戦というステージ、投球との二刀流プレッシャー、対策済み投手陣などを考えると、“PS史上でもトップクラスのインパクト”を持つ1試合と評価して良いと思います。
Q2. この確率モデルはどの程度正確なのでしょうか?
A. この記事のモデルは、あくまでファン向けの“概算モデル”です。
1打席HR確率を大谷のシーズン成績から8%程度と仮定し、ポストシーズンの投手レベルや状況を補正する形で計算しています。厳密な意味での統計モデルではありませんが、「どれくらい異常なのか」をイメージするには十分な目安になります。
Q3. もし大谷翔平が今後もポストシーズンで長くプレーしたら、また3HR試合を見る可能性はありますか?
A. 理論上はゼロではありませんが、1度起きたこと自体が“奇跡級”の確率です。
ただし、大谷翔平は「常識外れ」を何度も更新してきた選手でもあります。
キャリア通算で見れば、2回目の“確率バグ”が起きても不思議ではない唯一の選手とも言えるかもしれません。

