大谷翔平選手がメジャーで「二刀流」として歩み始めた2018年春は、いま振り返ると“成功が約束された物語”に見えるかもしれません。
しかし実際の空気は、もっと揺れていました。オープン戦では制球に苦しむ場面もあり、周囲には二刀流への懐疑もあったと言われています。
そんな状況で明かされたのが、元ロサンゼルス・エンゼルスGMビリー・エプラー氏が語った「デビュー前夜の出来事」です。
主役は大谷翔平本人ではなく、母・加代子さんの一言、そして球団トップの“覚悟”でした。
本記事では、デビュー戦秘話をわかりやすく整理し、なぜこのエピソードが人の心を動かすのかを深掘りします。
大谷翔平のメジャー挑戦は「期待」だけでなく「不安」も同席していた
2018年当時の大谷翔平選手は、NPBで確かな実績を残して渡米した一方で、環境が激変する“未知の挑戦”でもありました。
実戦形式やオープン戦で制球に苦しむこともあり、世間には「本当に二刀流は通用するのか」という声が出ていた時期です。
この局面で重要なのは、本人の技術だけではありません。
組織が「守る」と決められるかどうか。周囲が揺れたときに、トップが“背中”を示せるかどうかです。
エプラー氏の決断「メジャーに残す。責任は私が取る」が意味するもの
エプラー氏が示したとされる姿勢は、シンプルで強いものです。
「大谷翔平はメジャーに残す。うまくいかなければ責任は私が取る。」
この一言には、現場の迷いや外野の雑音を整理する力があります。
選手にとっては「守られている」という安心が生まれ、コーチ陣にとっては「方針が決まった」という明確さが生まれます。
結果として、挑戦の初期に起きがちな“空気のブレ”を最小化できるのです。
母・加代子さんの「心配なんです。どうしよう」が胸に刺さる理由

二刀流デビュー前夜、エプラー氏が大谷翔平選手の両親の滞在するホテルの部屋を訪れたとき、母・加代子さんは少し緊張している様子だったと語られています。
そして「明日の登板、楽しみですか?」という問いに対して返ってきたのが、
「心配なんです。ボール1、ボール2になったらどうしよう」
という言葉でした。
この一言が胸に刺さるのは、特別な演出があるからではありません。
“親の視点”があまりにも具体的だからです。
- 失敗の可能性をゼロにしない、現実的な心配
- それでも見守るしかない、親としての距離感
- たった一球の流れが怖い、デビュー戦ならではの緊張
世界的スターの物語の中に、どこにでもある「母の心」がそのまま存在しています。
だからこそ、このエピソードは温度を持って伝わります。
「大丈夫です」を“根拠付き”で返したエプラー氏の言葉術
エプラー氏は加代子さんを励ますために、ただ「大丈夫です」と言っただけではなく、状況の見取り図を具体化して返したとされています。
「キャッチャーはマルドナード。ストライクを盗める捕手です」という安心
母親の不安は、「息子が乱れたらどうなるのか」という未来への想像です。
そこでエプラー氏は、支える側の存在を提示しました。捕手の名前を出し、「ストライクを取れる」ことを伝える。
不安を“構造”でほどく返し方です。
「初球→次球」の流れを描いて、恐怖を小さくする
「初球は速球」「もしボールでも次はスライダー」「すぐ五分になる」
このように“次の一手”を言語化すると、最悪の想像が広がりにくくなります。
不安が強いときほど、人は“先が見えない”ことに耐えられなくなります。
だからこそ、具体的な見通しは、そのまま安心になります。
実は一番揺れたのは、責任を背負う側だった|廊下で気づいた心臓の高鳴り

この話が美しいのは、励ました側が完璧ではない点です。
エプラー氏は部屋を出た直後、「これまでずっとショウヘイを見てきたお母さんがあんなに心配しているのを見て、自分も不安になった」といった趣旨で語っています。
ここに“人間味”があります。
- 守ると決めた責任者ほど、実は揺れる
- けれど揺れたまま、行動で整える
- 一人で抱えず、元MLB選手エリック・チャベス氏に連絡して食事に誘う
強さとは「不安がないこと」ではなく、
不安が出たときに“整え方を知っていること”なのだと伝わってきます。
デビュー戦当日、大谷翔平は三者凡退の好発進|不安を結果で静かに消した
母もGMも不安を抱える中で迎えた当日。
大谷翔平選手は初回を三者凡退、しかも複数の三振を奪う上々の立ち上がりを見せたとされています。
さらに印象的なのは、エプラー氏が「一人では見ていられず、モニター越しに見ていた」という点です。
勝負の世界の“当事者”だけでなく、“支える側”にもまた緊張がある。
その緊張が、初回の数分でほどけていく光景が、物語として強く残ります。
大谷翔平が「信頼される選手」になった背景にあるもの

このエピソードが示すのは、能力の話だけではありません。
大谷翔平選手がエンゼルスを選んだ理由の一つに、球団首脳との信頼関係があったと言われるのは、こうした積み重ねがあるからです。
- 選手を疑う空気が出ても、トップが守ると宣言する
- 家族の不安に対しても、丁寧に向き合う
- うまくいかなかった場合の責任を、選手に背負わせない
この“安心の土台”があると、選手は挑戦に集中できます。
結果としてパフォーマンスの再現性が上がり、成長曲線が加速します。
「心配なんです」は弱さではなく、愛の強さです
母・加代子さんの言葉は、ネガティブな話ではありません。
むしろ、息子を大切に思うからこそ生まれる、自然で健康な感情です。
そして、その不安を受け止めたエプラー氏の対応もまた、肯定的です。
“守る側の覚悟”は、選手の物語を支える静かなエンジンになります。
スターの裏側には、いつも「支える人の仕事」があります。
この話は、それを優しく思い出させてくれます。
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大谷翔平母心配なんですどうしようまとめ
大谷翔平選手の二刀流デビュー前夜に語られた、母・加代子さんの「心配なんです。どうしよう」という一言は、世界的スターの物語を“人間の温度”に戻してくれる言葉です。
そして、その不安に具体的な根拠を添えて寄り添い、組織として守る覚悟を示した元エ軍GMエプラー氏の行動が、信頼の土台を形づくりました。
成功の裏側には、才能だけではなく、安心をつくる人がいます。
この秘話は、大谷翔平という選手の強さが「個」だけでなく「関係性」によっても支えられていたことを、前向きに教えてくれるエピソードです。

