なぜ伝説の右腕 クレイトン・カーショーは“最後の二刀流”と言ったのか?

2025年11月21日、米YouTube番組『Literally! With Rob Lowe』に出演した元ロサンゼルス・ドジャースのクレイトン・カーショーが、同僚であり二刀流で活躍する大谷翔平について語りました。
番組のホストである俳優ロブ・ロウとのやり取りの中で、カーショーは次のように述べました。
「そもそも(打撃の)音が全然違うんだよ」「僕らが彼を“ユニコーン(唯一無二の存在)”と呼ぶにはそれだけの理由があるんだ」――。
さらに
「身体もデカいし、ものすごく強い。パワーも桁違いだし、足だって特別速い。本当にとんでもないアスリートなんだ。これは本当にそうなんだ」
と、圧倒的な身体能力と総合力に敬意を表しました。
そして決定的とも言える発言が、
「正直言って、あれだけの二刀流はショウヘイが最後になるかもしれない。そんな気がしているよ」
という言葉です。
これは二刀流というスタイルの希少性と難しさを、球界を代表する右腕が切実に感じていることの証と言えるでしょう。
カーショーが語る「ありえない打球」とは?
カーショーが回想したのは、2025年のナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)第4戦で大谷が放った一撃です。
試合では、大谷が投打両方で圧倒的なパフォーマンスを示し、4回の第2打席では打球速度116.9マイル(約188.1キロ)という驚異的な当たりで、外野スタンドを越えドジャースタジアムの屋根を越えて場外弾となりました。
カーショーもベンチでその打球を目の当たりにし、
「いやもう、あれは信じられなかった」と吐露。
この瞬間が
「僕らが彼をユニコーンと呼ぶ理由だ」
と語る根拠となったのです。
この打撃だけでも、打者としての頂点を窺わせる存在であることが明らかですが、それに加えて投手としても6回0/3、10奪三振、無失点という成績を残し、シリーズを圧倒的な形で支配しました。
なぜ「二刀流は大谷が最後になるかもしれない」のか?
カーショーは
「今の時代は両方ともエリートレベルでないと、そもそも二刀流をやらせてもらえない。そのチャンスすらない」
と語っています。
これは現代のプロ野球環境、特にメジャーリーグにおいて、投打両方で高水準を維持することの難易度が飛躍的に上がっているという指摘です。
具体的に言えば:
- 投手としても打者としても“エリート”水準を要求される現代。
- スペシャリスト化が進む中で、二刀流選手に割かれるリソースや育成期間が縮まっている。
- チーム側もリスク管理を強めており、投打兼任というハイブリッド運用に慎重になっている。
そのような背景の中で、大谷翔平という“投手+打者”の両翼を全開で駆使できた希有な選手が出現したからこそ、「これが最後の二刀流かもしれない」という言葉が出てきたのです。
二刀流という価値と大谷の位置付け
大谷翔平が体現している「二刀流」は、もはや単なるギミックではなく、チーム戦略・マーケティング・ファン文化における革新的価値を持っています。
カーショーの言葉にある「彼をユニコーンと呼ぶ理由」は、次の3点に凝縮されます。
- 身体能力とパフォーマンスの両立:打者として飛距離と速度を持ち、投手として奪三振・無失点を達成。
- 希少性と差別化:現代では投手専任か打者専任が常態化しており、二刀流は例外的存在。
- 文化的インパクト:日本人選手としてメジャーの頂点に立つこと、スポンサー・ファン・メディアの注目を集めること。
カーショーのコメントは、この価値を“先駆者”として大谷が体現しているという認識に基づいており、同時にそれが「二刀流選手がもう出にくい」時代に差し掛かっているという未来予想を含んでいます。
カーショー二刀流ショウヘイが最後かもまとめ
クレイトン・カーショーという野球界のレジェンドが語った「二刀流は大谷が最後かもしれない」という言葉には、単なる称賛以上の意味があります。
それは、彼自身が長年のキャリアで見てきた“最高峰の才能”へのリスペクトであり、同時に“もう一度は見られない可能性”への切実な想いです。
大谷翔平が築き上げている二刀流の世界とは、単に“投げて打つ”という野球能力の発揮ではなく、現代野球における価値・希少性・影響力を揃えた唯一無二の存在なのです。
彼の存在は、これからの野球選手・チーム・ファンすべてにとって、新たな基準となるでしょう。
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よくある質問/Q&A
Q1:なぜカーショーは「二刀流は大谷が最後かもしれない」と言ったのですか?
A1:現代のプロ野球では、投手専任・打者専任が主流となっており、二刀流を許容・成功させる育成・起用・環境が非常に限られているためです。カーショー自身がその難しさを熟知しており、大谷がその希少な例だという認識から発せられた言葉です。
Q2:大谷翔平が放った「ありえない打球」とは何ですか?
A2:2025年のNLCS第4戦において、打率だけでなく、打球速度116.9マイル(約188.1キロ)というデータが出た一撃に代表される、外野スタンドを越えて場外へ消えたホームランです。打球の音・飛距離・衝撃すべてが異次元だったとカーショーは語っています。
Q3:将来、また二刀流選手は現れる可能性がありますか?
A3:まったく可能性がないわけではありませんが、カーショーが指摘するように「投打双方でエリートレベルでなければ起用されない」「チームや育成環境が慎重」という構図があるため、非常にハードルが高いことは確かです。大谷ほどの才能・環境・タイミングが揃った選手が出現するのは、かなり稀でしょう。
Q4:このコメントが野球界に及ぼす影響はありますか?
A4:はい。レジェンド投手からの発言ということで、「二刀流」というコンセプトそのものが一層価値化される可能性があります。若手選手・育成機関・チーム戦略がこの価値に気づき、二刀流選手育成の動きを模索するきっかけになるかもしれません。ただし、実践に移すには多くの課題も伴います。

