アメリカのメジャーリーグベースボール(MLB)では、父親が元プロ選手または現役コーチで、息子もプロ入りする「親子メジャーリーガー」が非常に多く存在します。
この記事では、2025年MLBドラフトで注目されたイーライ・ウィリッツ選手やブレイディ・エベル選手を例に、なぜアメリカに親子メジャーが多いのか、その背景や育成環境、さらには遺伝的要素やプロ野球特有の文化について詳しく解説します。
親子でメジャー入りするケースはどれくらい多いの?
MLBの歴史をひも解くと、これまでに確認されている「親子メジャーリーガー」の組数は255組に上ります。
そのうち18組は父子ともに殿堂入りを果たしており、代表的な例としてトニー・グウィン親子、ケン・グリフィー親子、カル・リプケン親子などが挙げられます。
これは他のプロスポーツと比較しても非常に高い数字であり、特に野球という競技における
がいかに大きな影響を与えているかが分かります。

ドラフト全体1位のウィリッツ選手とはどんな選手?
2025年のMLBドラフトで全体1位に選ばれたのが、17歳のイーライ・ウィリッツ選手です。
彼は元エンゼルス外野手のレジー・ウィリッツ氏の息子で、オクラホマ州の高校に通う遊撃手。
身長185cmのスイッチヒッターで、守備力、走力、肩の強さ、打撃のコンタクト能力に優れており、今後の成長が非常に期待される選手です。
プロの世界に入るのはまだ若干17歳ですが、クラブハウスに出入りするなど、幼少期からプロの空気を肌で感じていたことが、彼の早熟な野球能力の基盤となっています。

なぜコーチや選手の子どもは優れた野球選手に育つのか?
大きな要因の一つは「環境」です。
例えば、ドジャースの三塁ベースコーチ、ディノ・エベル氏の長男ブレイディ・エベル選手は、2025年ドラフトでブリュワーズから全体32位指名を受けました。
彼もまた、幼い頃から父親の仕事を通じてメジャーリーグのクラブハウスやフィールドに触れてきた経験を持ちます。
大谷翔平選手やムーキー・ベッツ選手、マイク・トラウト選手といった超一流のプレイヤーたちと日常的に接してきた経験は、通常の高校生では得られない「リアルなプロ意識」を育てる上で大きな力になります。
「野球英才教育」はどのように行われている?
ディノ・エベル氏は、自身がマイナーリーガー出身であることもあり、「学ぶ姿勢」と「努力の価値」を家庭内で繰り返し伝えてきたと言います。
次男のトレイ・エベル選手もテキサスA&M大学に進学予定ですが、ドラフト上位指名の可能性も高いとされています。
「ブレグマンのような打撃をする」と評価されている彼も、やはり野球に囲まれた環境で育ってきた一人です。
親の影響は、身体的な遺伝だけでなく、精神的なスタンスや日々のトレーニングの質にも現れます。

子どもがプロを目指す上で家庭環境はどれほど重要?
プロ野球選手の家庭では、クラブハウスへのアクセス、専用のトレーニング設備、栄養面での知識、スカウトとの人脈など、多くの「見えない資産」が存在します。
つまり、育成環境そのものが一般家庭とは一線を画しているのです。
また、父親の現役・指導歴が長ければ長いほど、その経験をもとに的確なフィードバックやコーチングを受けることができ、子どもにとっては他のどんなトレーナーよりも信頼のおける存在になります。
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なぜアメリカ親子でプロ入り選手多いまとめ
親子でメジャーリーグを目指すケースが多い理由は、「環境・教育・遺伝」の三要素が高次元で融合しているからです。
ウィリッツ選手やエベル兄弟のように、小さな頃からプロの世界に触れることで、自然とその水準を目指すようになり、結果的に高い成功率を誇るのです。
アメリカにおいて野球が「家族でつなぐ文化」であることも、こうした傾向を後押ししています。今後も親子メジャーリーガーの活躍から目が離せません。
よくある質問/Q&A
Q1. 親がプロ野球選手でなくてもメジャーリーガーになれる可能性はありますか?
はい、もちろんです。多くのメジャーリーガーは一般家庭の出身であり、優れた才能や努力、環境次第で誰にでもチャンスはあります。
Q2. 日本ではなぜ親子プロ野球選手が少ないのですか?
日本ではプロ選手の子どもがクラブハウスに自由に出入りする文化が少なく、アメリカのように現場で学ぶ機会が限られるため、自然と数が少なくなる傾向があります。
Q3. MLBではクラブハウスに子どもが入るのは一般的なのですか?
はい、クラブハウスやフィールドに選手の子どもが出入りするのは非常に一般的で、夏休みなどには「父と子の日」などの行事も行われています。
Q4. ドラフトの順位が高いとどれだけ有利になるのですか?
ドラフト上位指名は契約金や育成体制に直結するため、選手としてのキャリアスタートにおいて非常に有利になります。
Q5. 遺伝だけでメジャーリーガーになれるのでしょうか?
いいえ、遺伝はあくまで一要素であり、育成環境や本人の努力、メンタル面が成功を左右する重要な要因です。