米大リーグ・ドジャースの佐々木朗希投手が、地区シリーズ第4戦で披露した“異次元”の投球が大きな話題になっています。
米国の著名な投球分析家が「チャップマン級」と驚嘆した88.4マイル(約142.2キロ)のスプリット/フォーク。その驚異的な一球の背景を、詳しく見ていきます。
佐々木朗希はポストシーズンでどんな投球を見せたのか?
ドジャースは地区シリーズ第4戦でフィリーズと対戦し、延長11回の末に2対1でサヨナラ勝ちを収めました。
この試合の8回、1対1の同点の場面で佐々木投手が登板しました。
ポストシーズンでは初となるリリーフでのイニングまたぎを敢行し、8回から10回までの3イニングをわずか36球で投げ抜きました。
無安打・無失点・2奪三振という完璧な内容で、チームの勝利に大きく貢献しました。
8回は上位打線をわずか8球で3者凡退に抑え、9回もマーシュを二ゴロ、リアルミュートを空振り三振、ケプラーを三飛に仕留めました。
延長10回も変わらぬ投球で、カステヤノスを三ゴロ、ストットを見逃し三振、ターナーを右直に打ち取り、圧巻の内容でマウンドを降りました。
なぜ「チャップマン級」と呼ばれたのか?
この試合で特に注目されたのは、88.4マイル(約142.2キロ)のスプリット/フォークを投じた場面です。
米国の投球分析家ロブ・フリードマン氏はSNS上で
「とんでもない88.4マイルのスプリット/フォーク…回転数は427。記録を取り始めた2008年以降、これより速くて回転数の低いスプリット/フォークを投げたのはチャップマンだけだ」
と投稿しました。
この球の特徴は「速度」と「極端な低回転」の両立にあります。
通常、スプリットやフォークは変化を強調するためある程度の回転数がありますが、427rpmという数値は極めて異例です。
高速でありながら回転が少ないため、軌道が打者にとって予測しにくく、空振りを誘発しやすい球質になっています。
低回転スプリットはなぜ打者を惑わせるのか?
スプリット/フォークは、ボールの回転数が低くなるほど空気抵抗や変化特性が変化します。
通常の変化球と異なり、軌道に“揺らぎ”が生じやすく、打者がタイミングを取りにくくなるのです。
佐々木投手のスプリットは、回転数500rpm以下の球をこれまでも投げてきましたが、今回の427rpmはさらに突出した値です。
このような低回転の高速スプリットは、MLB全体でも極めて珍しい存在です。
チャップマンを除けば、同様の球質を安定して投げられる投手はほとんどいません。
佐々木投手はこの特異な球をポストシーズンの緊張感の中で自在に操り、強打者たちを完璧に封じました。
今後、佐々木朗希の武器はどう進化していくのか?

この“チャップマン級”スプリットは、佐々木投手の今後のMLBキャリアにおける大きな武器になる可能性があります。
一方で、球種の研究が進むメジャーでは、打者側が対応策を練ってくることも予想されます。
速球やスライダーとのコンビネーション、投球パターンの多様化がさらに重要になってくるでしょう。
また、低回転球は指先や腕への負荷が高いとも言われています。連投や長期シーズンを戦う上で、コンディション管理も大切な課題になります。
これらを乗り越えれば、佐々木投手はメジャーでも唯一無二の存在になることが期待されます。
佐々木朗希チャップマン級スプリットまとめ
佐々木朗希投手が地区シリーズ第4戦で見せた88.4マイル・427rpmのスプリットは、MLBの記録でも極めて稀な“チャップマン級”の一球です。
高速と低回転を兼ね備えた球質は打者にとって予測不能であり、今後の活躍を占う上で大きな鍵となります。
特異な武器を持つ佐々木投手の投球から、今後も目が離せません。
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よくある質問(Q&A)
Q1:なぜ「チャップマン級」と呼ばれるのですか?
チャップマンは、極端な球速と特異な変化球で知られる投手です。今回の佐々木投手のスプリットは、そのチャップマンと並ぶほどの速度と低回転を記録したため、このように呼ばれています。
Q2:スプリットで回転数が低いとどうなりますか?
回転数が低いとボールの揺れが増し、軌道が読みにくくなります。そのため、打者が空振りする可能性が高まります。
Q3:このような球を投げられる投手は多いのですか?
非常に少ないです。特に88マイル以上の速度と500rpm以下の回転数を両立する球は、過去の記録でもごくわずかしかありません。
Q4:このスプリットは今後も使われますか?
大事な場面での決め球として、今後も佐々木投手の大きな武器になると考えられます。ただし、投球全体とのバランスが重要です。
Q5:日本のファンが注目すべきポイントは?
球速や奪三振だけでなく、回転数や球質といったデータ面に注目すると、佐々木投手の進化をより深く楽しめます。