大谷翔平選手の「父親リスト」入りで注目！日本の男性育休取得率が低い理由と世界の育休事情を徹底解説

2025年4月22日

日本の男性育休取得率はなぜ低いのか？

日本の育児休業制度は世界的にも評価が高く、父親に認められている育児休業の期間が最も長いとされています。

しかし、実際の男性の育休取得率は依然として低い水準にとどまっています。

厚生労働省の調査によると、令和2年10月から令和3年9月までに配偶者が出産した男性のうち、令和4年10月1日までに育休を取得した割合はわずか17.13％でした。

この低い取得率の背景には、職場の雰囲気や人手不足、業務の属人化など、企業が抱える課題があります。

また、仕事を離れることで周囲に迷惑をかける後ろめたさや、今後のキャリア形成に悪影響になるといった男性本人の懸念も影響しています。

G7各国の育児休暇制度を比較すると、日本と似ている国もあれば、大きく異なる国もあります。

フランス：2002年より父親に対して14日間の休暇が認められており、70％もの男性が取得しています。2021年からは2倍となる28日間の休暇が認められており、そのうち7日間の取得は義務化されています。
ドイツ：2007年に「両親手当」を導入。片方の親が手当を受給する場合は最大12カ月間支給され、もう片方の親も育休を2カ月間取得すれば、受給期間を14カ月に伸ばすことができます。これにより、父親の育休取得率が2008年の21.2％から2020年には43.7％に上昇しました。
カナダ（ケベック州）：2006年にパートナー専用育休という独自の制度を設け、2022年には93％ものパートナーが育休を取得しています。
イギリス：全体の73％の男性が育休を取得していますが、これは賃金水準が高い男性や規模の大きな企業に勤めているケースで顕著であり、給付額が少なくなってしまう男性は取得を控える傾向にあります。
アメリカ：G7のなかで唯一、連邦レベルでの有給がある育休が存在しない国です。ただし、州や企業単位で独自の制度を持っており、育休を取ることを推奨する企業文化が存在しています。

男性が育休を取得しやすい企業文化を築くためには、以下のような取り組みが有効です。

上司の意識改革：管理職を対象とした社内研修や、妊娠・出産報告を受けた際の意向確認シートの作成など、上司が部下の育休取得を支援する体制を整えることが重要です。
制度利用者の声の共有：育休を取得した男性社員とその上司との意見交換会を開催し、取得社員のリアルな声を社内に発信することで、育休取得への理解を深めることができます。
ガイドブックの作成：育休開始から復職までの心構えや保育園入園に向けた準備など、先輩ママ・パパ社員の知恵やノウハウをまとめたガイドブックを作成し、社員の不安を軽減することが効果的です。