ドジャース大谷翔平選手には、「肩の可動域がバケモノ級に広い」という説があります。
そしてその“異常な可動域”こそが、2度のトミー・ジョン手術後も球速を維持し、二刀流を続けられている最大の理由ではないかと語られています。
この記事では、
- 工藤公康氏が驚いたとされる「肩の可動域のバケモノ説」とは何か?
- トミー・ジョン手術後に、なぜ可動域が“むしろ広がった”と言われるのか?
- 肩・肩甲骨の可動域は、どう球速維持やケガ予防につながるのか?
- 私たちが真似できる“大谷流・可動域×安定性トレーニング”の考え方とは?
といったポイントを、できるだけ分かりやすく、ポジティブに解説していきます。
工藤公康が驚いた“大谷翔平の肩の可動域のバケモノ説”とは?

まずは、多くのファンが気になっている「工藤公康が驚愕した肩の可動域バケモノ説」から整理していきます。
工藤公康は大谷翔平のどこに驚いたのか?
元ソフトバンク監督で通算224勝を挙げたレジェンド左腕・工藤公康氏は、現役時代から「柔らかい肩と股関節の重要性」を誰よりも語ってきた人物です。
その工藤氏が、メディアや解説の場でたびたび口にしているのが、
- 大谷翔平の肩は「可動域がとにかく広い」
- 普通の投手ではまず見ないレベルの“しなり方”をしている
- 肩甲骨の動きと腕の振りが、映像で見ても“異次元”に近い
という評価です。
ファンの間では、こうしたコメントや映像解説から派生して、
「工藤公康が“肩の可動域がバケモノ”と評したらしい」
という形で“肩の可動域バケモノ説”が広まっています。
実際にスロー映像を見てみると、テイクバックから最大外旋までの「腕が後ろへ入る距離」が、他の投手よりはるかに深いことが分かります。
具体的にどんな可動域が“異常レベル”と言われているのか?
大谷選手について語られる可動域の特徴を、分かりやすく整理すると次のようになります。
- 肩が大きく後ろに引ける(水平方向の外転角度が大きい)
- 最大外旋位からさらに“しなる”動きが生まれる
- 投球動作終盤の加速局面で、力を逃がさずボールに伝えられる
つまり、大谷選手の肩は
「大きく反る → しなる → 最後に一気に加速して解放する」
という“弓とムチ”のような挙動を、極めて高いレベルで実現しているのです。
トミー・ジョン手術後に可動域が広がったと言われる理由は?
次に、多くのファンが驚いているポイントである
「トミー・ジョン手術後に、むしろ可動域が広がったと言われる理由」を見ていきます。
一般的なトミー・ジョン手術後はどうなることが多いのか?
通常、トミー・ジョン手術(UCL再建術)を行った投手は、術後リハビリで次のような課題を抱えます。
- 肘・肩周りの可動域が一時的に制限される
- 復帰後しばらくは球速が落ちやすい
- 筋力と柔軟性のバランスが崩れ、フォーム再現性を取り戻すのに時間がかかる
そのため、多くの選手は「投げられるようになってからが本当の勝負」で、元のパフォーマンスに戻るまで1〜2年かかることも珍しくありません。
大谷翔平の場合「リハビリで肩甲骨と肩周りを徹底的に整えた」と言われる理由は?
一方、大谷選手の場合は
- リハビリの早い段階から「可動域チェック」と「しなりを戻すトレーニング」にこだわった
- 肩甲骨の前傾・後傾・外旋・内旋といった複雑な動きを、ミリ単位でコントロールできるよう再構築した
- 投げない期間に、むしろ体幹〜肩甲骨〜肩関節の連動性を“作り直した”
といった話が、トレーナーや専門家の間で語られています。
実際に、2018年の手術後の報道では、球団関係者が「可動域が非常に良好で、伸展・屈曲ともにフルレンジで動いている」とコメントしており、リハビリ初期から可動域の回復が順調だったことがうかがえます。
「術後なのに球速が落ちていない」という異例のケース?
トミー・ジョン手術後の投手は、復帰直後の球速が2〜3マイル落ちるケースも多いと言われます。
しかし、大谷選手は
- 復帰後も平均球速がMLBトップクラスの水準を維持
- ドジャース移籍後には100マイル超、さらには101マイル台の自己最速クラスのストレートを記録
- シーズンを通しても、球速が大きく落ちるどころか「むしろ上がったのでは?」と感じるファンも多い
という“超例外的な回復”を見せています。
ここから専門家たちは、
術後の大谷翔平は、「肩の可動域+肩甲骨の連動性」が以前より洗練され、
結果として球速を維持しつつ、負担を分散できるフォームに進化したのではないか
と分析しているのです。
肩の可動域はなぜ球速維持とケガ予防の秘密になるのか?

ではそもそも、肩の可動域が広いと何がそんなに有利なのか?
ここをシンプルに整理しておきます。
①「しなりの距離」が増えて球速アップにつながる?
投球動作を“弓矢”に例えると、
肩の外旋角度が大きい=弓を大きく引けることを意味します。
- 最大外旋位でしっかり“ため”を作れる
- そこからリリースまでのしなり戻りの距離が長くなる
- 結果として、ボールに伝わる加速が大きくなる
大谷選手のように、肩・肩甲骨の可動域が大きい投手は、この「弓を引く距離」が長く、
なおかつ「戻すスピード」も速いため、球速に直結しやすいのです。
② 可動域が広いと「一点に負荷が集中しにくい」からケガに強い?
一方で、可動域が狭い肩の場合、
- 動く範囲が小さいため急ブレーキがかかりやすい
- 同じ動きでも、ある特定の角度に負荷が集中しやすい
- 結果として、筋肉や靭帯の一部にストレスが溜まりやすい
というデメリットがあります。
大谷選手のように肩甲骨や肩周りがしなやかに動く選手は、
- 動作全体で負荷を分散できる
- 衝撃を“吸収→逃がす”ルートが多いため、一点にストレスがたまりにくい
- トミー・ジョン後も、同じ箇所に無理な負荷をかけずに高い出力を出せる
という理想的なパターンに近づきます。
③ 下半身〜体幹〜肩の「末端加速」がスムーズになる?
ピッチング動作では、
- 下半身で生み出したパワーを
- 骨盤・体幹の回旋に乗せ
- 肩甲骨〜肩〜肘〜手首〜指先へと“末端加速”させる
というエネルギーの流れがあります。
肩や肩甲骨の可動域が広く、なおかつ筋力と安定性がある選手ほど、
- 下半身からのエネルギーをロスなく末端まで伝えやすい
- 「手投げ」ではなく全身で投げるフォームになりやすい
- 長いシーズンでもフォームの再現性を保ちやすい
と言われています。
大谷選手は、この「可動域 × 末端加速 × 再現性」を世界最高レベルで両立しているからこそ、
投手としても打者としても“規格外の出力”を発揮できていると考えられます。
MLBでも稀な「柔らかい肩 × 強靭な筋力」の共存とは?
もうひとつ、大谷翔平の“バケモノ性”を語るうえで欠かせないのが、
「柔らかいのに、ブレない」
「しなるのに、壊れない」
という矛盾を両立している点です。
多くの選手は「柔らかい肩=ケガしやすい」になりやすい?
一般的に、可動域が広く“ルーズショルダー気味”な肩は、
- 大きく動かせる反面、関節が不安定になりやすい
- 筋力や安定性が追いつかないと脱臼・亜脱臼・炎症を起こしやすい
- 強度なトレーニングや長期シーズンにはケアを徹底しないと耐えられない
というリスクがあります。
つまり、「柔らかさだけ」ではトッププロとして長く戦えません。
大谷翔平は「柔らかさ」と「強さ・安定性」を同時に育ててきた?
大谷選手の場合は、
- 若い頃から股関節・肩・肩甲骨の柔軟性トレーニングを徹底
- 同時に、スクワットなどの下半身トレーニングや体幹トレーニングで土台の筋力を強化
- シーズン中も、可動域チェックと補強トレーニングをルーティン化
といった取り組みを長年続けてきたとされています。
その結果、
- 柔らかいのに“グラつかない”関節
- しなるのに“戻りが速い”筋力
- シーズンを通して再現できるフォーム安定性
という、普通は両立しづらい要素を共存させることに成功しているのです。
私たちは大谷翔平の「可動域トレーニング」から何を真似できるのか?
もちろん、大谷選手と同じ可動域や球速を手に入れることは簡単ではありません。
しかし、アマチュア選手や学生、趣味で野球を楽しむ人でも、考え方やトレーニングの方向性は十分に真似できます。
① いきなり“強くする”のではなく「まず動く範囲を取り戻す」?
多くの選手は、いきなり筋トレから入ってしまいがちですが、
- ガチガチに固まった肩に筋肉だけを乗せる
→ フォームが余計に窮屈になる - 可動域が狭いまま球数を投げる
→ 一部の組織に無理がかかり、痛みにつながる
という悪循環になりがちです。
大谷選手の事例から学べるのは、
「筋力アップの前に、可動域と連動性を整える」
という順番を大事にすることです。
② 肩だけでなく「肩甲骨・胸郭・股関節」まで含めて考える?
肩の可動域を語るとき、プロのトレーナーが口を揃えて言うのが、
- 肩だけ柔らかくても意味がない
- 肩甲骨・胸郭・股関節の動きまでセットで見ないと、本当の“しなり”は出ない
というポイントです。
大谷選手のフォームをスローで見ると、
- 足を踏み出した瞬間の股関節の深い入り
- 体幹の回旋とともに動く肩甲骨の大きなスライド
- そこから最後にしなって出てくる腕のスピード
が、美しく連動しているのが分かります。
アマチュア選手であれば、
- 股関節ストレッチ
- 肩甲骨周りのストレッチ&軽いモビリティドリル
- 体幹トレーニング
といった“全身セット”でのメニューから少しずつ取り入れていくのがおすすめです。
③ 「今日できる最小の可動域ケア」を毎日続ける?
大谷選手の哲学としてよく語られるのが、
「今日できる最小の積み重ね」
という考え方です。
可動域のケアも同じで、
- 毎日5〜10分でもいいから、肩・肩甲骨・股関節を動かす習慣を作る
- 練習前後に同じルーティンを淡々と続ける
- 痛みが出てからではなく、違和感の段階でケアする
こうした“小さな積み重ね”が、数年単位で見たときに「ケガをしない・伸び続ける選手」と「どこかで止まってしまう選手」の分かれ目になっていきます。
大谷翔平なぜ肩の可動域のバケモノまとめ
最後に、この記事のポイントを整理します。
- 大谷翔平には、工藤公康氏の解説や映像分析から派生した「肩の可動域がバケモノ級」という説があります。
- スロー映像や専門家の分析からも、
肩・肩甲骨の可動域の広さと“しなり”の量がトップレベルであることはほぼ間違いないと考えられます。 - 多くの投手はトミー・ジョン手術後に可動域低下や球速ダウンに悩みますが、
大谷選手はリハビリで可動域と連動性を再構築し、球速を維持どころか進化させた“超例外的なケース”です。 - 大谷翔平の強さは、
「柔らかい肩」×「強靭な筋力・体幹」×「長年の可動域ケアの積み重ね」が三位一体になった結果と言えます。 - 私たちが真似できるのは、
「可動域を整えてから鍛える」「肩だけでなく股関節〜肩甲骨まで含めて動かす」「小さなケアを毎日続ける」という考え方そのものです。
大谷翔平の“肩の可動域のバケモノ説”は、単なる都市伝説ではなく、
二刀流を10年以上続けていくうえで欠かせない超重要キーワードと言えるかもしれません。
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よくある質問 / Q&A
Q1:大谷翔平の「肩の可動域がバケモノ」という話は本当なのでしょうか?
A1:テレビや解説で、専門家や元投手が「肩・肩甲骨の可動域が異常に広い」とコメントしているのは事実です。厳密な数値データが公表されているわけではありませんが、スロー映像や動作解析から見ても、大谷選手の可動域がトップクラスであることは、多くの専門家が認めていると言えます。
Q2:トミー・ジョン手術をすると、可動域は狭くなるのが普通ではないですか?
A2:一般的には、一時的に可動域が制限されたり、恐怖心から動きが小さくなる選手も多いです。ただし、適切なリハビリと可動域トレーニングを行えば、術前と同等、あるいはそれ以上にスムーズな動きを獲得できるケースもあります。大谷選手は、その“成功例の極致”のような存在だと考えられます。
Q3:肩の可動域を広げると、逆にケガしやすくなりませんか?
A3:可動域だけを無理に広げると不安定になり、ケガのリスクが高まります。重要なのは、「可動域 × 筋力 × 安定性」のバランスです。大谷選手も、ストレッチだけでなく、下半身・体幹・肩周りの補強トレーニングをセットで行っていると考えられます。
Q4:アマチュア選手でも、大谷翔平のような可動域は手に入れられますか?
A4:全く同じレベルは難しくても、今の自分より“もう少し動きやすい状態”を作ることは誰にでも可能です。毎日数分のストレッチやモビリティドリルを続けるだけでも、数ヶ月〜1年単位で大きな差になっていきます。
Q5:肩の可動域を高めたい場合、何から始めるのがおすすめですか?
A5:いきなり高強度のストレッチを行うのではなく、
- 肩甲骨を大きく回す体操
- 胸を開くストレッチ
- 股関節の前後・左右ストレッチ
などの**“気持ちよく動かせる範囲”からスタートするのがおすすめです。そこに少しずつ体幹トレーニングや軽い筋トレを足していくと、「しなり×安定性」に近づいていきます。

