大谷翔平選手の打撃は、ただ「力がある」だけでは説明できません。
注目したいのは、考え方そのものがアップデートされている点です。
かつてはバックスピンを意識した打ち方を語りつつ、現在は「ボールを100%の力で潰し、芯を真後ろから貫く」方向へ舵を切っています。
この変化は、飛距離を伸ばすための“遠回り”ではなく、再現性と破壊力を両立するための最短ルートです。
「バックスピン重視」から「芯を貫く」へ変わった理由

バックスピンは、打球に揚力が生まれやすく、遠くへ飛ぶイメージがあります。実際、回転がうまくかかれば打球は伸びます。
ただし、大谷選手が問題視したのは「バックスピンを狙うほど、打点がズレやすい」ことです。
バックスピン狙いが生む“力のロス”
バックスピンを意識すると、ボールの少し下を叩こうとしやすくなります。すると、インパクトが「正面衝突」にならず、力の伝達が欠けてしまいます。
大谷選手の言う「100%の力で潰す」とは、バットのエネルギーを逃がさず、ボールへ一直線に伝える発想です。
「芯を真後ろから貫く」は、ミスを減らす設計
「芯を貫く」という表現は、感覚の話に見えて、実はすごく実務的です。
狙いは、打球の質が落ちる“薄い当たり”や“擦り”を減らし、芯でとらえる確率を上げることです。
芯で当たる回数が増えれば、打球速度も上がり、結果として長打も増えます。
「潰す」とは何か?パワーを最大化するインパクトの作り方
「潰す」は、ただ強く振ることではありません。大切なのは、当たり方の設計です。
重要なのは打球速度と角度の“セット”
現代の打撃は、打球速度(Exit Velocity)と打球角度(Launch Angle)の組み合わせで評価されやすくなっています。
芯で当てて打球速度が出れば、多少角度がブレてもヒットや長打になりやすく、打球が“強い”状態を作れます。
逆に、角度だけを狙うと、打球速度が落ちて凡打になりやすいのが難点です。
「自然に回転がかかる」状態を作る
バックスピンそのものを否定しているわけではなく、狙い方を変えています。
芯で正面から潰せば、スイング軌道とインパクト条件によって、結果として適度な回転が生まれます。
回転を“作りにいく”のではなく、“出る形”に整えるのがポイントです。
スイング軌道は「投球の軌道と合うほど強くなる」
大谷選手が語る「真後ろから貫く」は、ボールを点で合わせるより、軌道を合わせて線でとらえる感覚に近いです。
投球軌道に対してバットがズレずに入れば、芯で当たりやすくなり、最短距離で強い打球が出ます。
「芯を貫く」打撃がもたらす3つのメリット

このスタイルは、派手な理論に見えて、メリットがとても現実的です。
1)再現性が上がり、調子の波を小さくできる
ボールの下を繊細に狙うより、芯で正面からとらえるほうが、日々のコンディション差に強いです。
「少しズレたら全部ダメ」になりにくく、打撃の土台が安定します。
2)打球が速くなり、守備の反応時間を奪える
芯で潰せると、ライナー性の強い打球が増えます。
強い打球は、野手が一歩目を遅らせるので、ヒットゾーンが広がります。長打だけでなく、安打の増加にもつながります。
3)長打は“狙う”より“積み上がる”
「角度を作る」よりも「強い打球を出す」を優先すると、長打は後から増えやすいです。
強い打球が増えるほど、適正角度に入った瞬間にホームランになる確率も高まります。
実践に落とすなら:大谷流を真似する時のコツ
プロの身体能力そのものは真似できなくても、考え方の骨格は取り入れられます。
「当てにいく」より「芯でぶつける」意識を持つ
ミートを優先しすぎると、スイングが弱くなりやすいです。
芯でぶつける意識に切り替えると、スイングが“逃げない”形になりやすく、打球が強くなります。
上体の角度を整え、インパクトの再現性を上げる
構えで前屈しすぎたり、起こしすぎたりすると、芯の位置がズレやすくなります。
毎回同じ角度で入れることが、「真後ろから貫く」ための土台になります。
練習は「打球の質」を基準にする
飛んだかどうかより、芯でとらえた感触、打球の伸び、ラインの強さを基準にすると上達が早いです。
強い打球が増えるほど、角度は後から整っていきます。
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大谷翔平芯を貫く打撃論まとめ
大谷翔平選手の「芯を貫く」打撃論は、バックスピンを“狙う打撃”から、力をロスなく伝える“正面衝突の打撃”へと進化した考え方です。
「ボールを100%の力で潰す」「芯を真後ろから貫く」という発想は、再現性を高めながら打球速度を引き上げ、結果として長打も安打も増やせる設計になっています。
打撃を伸ばしたい人ほど、角度づくりより先に「芯で潰す土台」を整えることが、最短の成長ルートになります。

