大谷翔平選手がMLBの「父親リスト」制度を利用して出産に立ち会ったことが話題になりました。
このニュースをきっかけに、日本プロ野球界の時代遅れな現状が浮き彫りになっています。
今回は、「父親リスト」の概要から、日本野球界の課題、今後の展望まで詳しく解説します。
父親リストとはどんな制度?MLBで導入された背景は?
「父親リスト」とは、選手が配偶者の出産に立ち会うためにチームを一時離脱できるMLB独自の制度です。
2011年にMLBと選手会の協議により導入され、出産予定の48時間前から最長3日間、正式にリスト入りできます。
この間、代替選手を登録でき、給料やメジャー登録日数にも影響がありません。
ただし、3日以上離脱する場合は「制限リスト」に移行し、年俸や登録日数に影響が出る仕組みです。
当初はアメリカでも賛否両論ありましたが、現在では選手に寄り添う文化が定着し、多くの選手が利用しています。
なぜ日本のプロ野球には「父親リスト」がないのか?
日本プロ野球(NPB)には、MLBのような「父親リスト」に相当する制度は存在しません。
選手が出産に立ち会うために離脱する場合、登録抹消扱いとなり、1軍登録日数が加算されず、FA取得にも影響します。
選手会も過去に産休や忌引制度の導入を働きかけましたが、現時点では制度化には至っていません。
選手の家庭事情への理解が進んでいないのが実情です。

日本球界では出産や家族の事情を優先できないの?
かつての日本球界では、「プロ野球選手は家族を犠牲にしてこそ一流」という価値観が支配的でした。
出産への立ち会いはもちろん、親の死に目にも間に合わないのが当たり前とされてきました。
実際に、故・星野仙一氏も母親の死去を公表せず、優勝後に発表するなど、家族よりチームを優先する文化が美談として語られてきた歴史があります。
しかし、時代は大きく変わりつつあり、世界的には「家族第一」が常識となっています。

最近のNPBでは家族支援に変化が見られる?
2025年にはロッテの石川柊太選手が、妻の出産に立ち会うためチームを離れました。
吉井理人監督が「お父さんリストみたいなもの」と表現したことからも、球団側の理解は徐々に広がりつつあります。
しかし、正式な制度がない以上、登録抹消扱いによる不利益は残っています。
今後、選手会やファンの声が高まれば、制度化への流れが本格化する可能性は十分にあります。

世界では「家族優先」が常識?MLB以外の事例は?
MLBでは「父親リスト」だけでなく、「忌引きリスト」という制度もあります。
家族の死去や重病時に適用され、3〜7試合チームを離脱しても不利益が生じません。
また、欧州のサッカー界やアメリカのプロバスケットボールNBAでも、選手の家族事情に配慮した休暇制度が整備されています。
これらの動きは、家族と仕事を両立させる新しいプロスポーツ文化の象徴といえるでしょう。
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父親リスト日本プロ野球必要まとめ
大谷翔平選手の「父親リスト」入りを契機に、日本プロ野球界も家族を大切にする制度作りに本腰を入れるべき時代に突入しています。
「選手は家族の支えがあってこそベストなパフォーマンスを発揮できる」という世界的な流れに、日本も早急に追いつくべきです。
選手もファンも、家族を尊重する温かいスポーツ文化を共に育てていきたいですね。
よくある質問(Q&A)
Q1. 父親リストを使うと選手にデメリットはありますか?
A1. いいえ、MLBでは「父親リスト」期間中も給料が支払われ、メジャー登録日数も加算されるため、選手にデメリットはありません。
Q2. 日本プロ野球でもすぐに父親リスト制度は導入されますか?
A2. 現時点では未定ですが、大谷選手の話題を受け、選手会が再び働きかける予定です。今後の動きに注目が集まっています。
Q3. 他のスポーツでも同様の制度はありますか?
A3. はい。MLB以外にも、欧州サッカーやNBAなど多くのプロスポーツで家族優先の制度が整備されています。
Q4. 父親リストと忌引きリストの違いは何ですか?
A4. 父親リストは出産に立ち会うための制度、忌引きリストは家族の死去やケガなど緊急事態に対応する制度です。
Q5. 家族支援制度があるとチームにとって不利益はないのですか?
A5. 短期間の離脱はありますが、選手の精神的安定やパフォーマンス向上につながるため、結果的にチームにもプラスになります。
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