先発投手分業制が一般化したMLBで、なぜ山本由伸は「常識」を覆したのか？
現代のMLBでは、先発投手は長いイニングを投げず、球数制限と救援投手の分業が徹底されています。
しかし2025年、山本由伸がポストシーズンで示した“完投勝利”と“中1日登板”、そして“最終戦の救援”という一連のパフォーマンスは、この固定概念を揺るがす出来事でした。
12年総額3億2500万ドルという大型契約でドジャースへ加入した山本は、2年目で真価を発揮。
「負けは選択肢にない」
という名言とともに、WS3勝・シリーズMVP、そして象徴となる「235球」という規格外の数字を残し、ロサンゼルスの“英雄”となったのです。
なぜ山本由伸はMLBで異例の“完投型エース”になれたのか？
日本時代から続けてきた“完投ベース”の育成哲学
オリックス時代に3年連続沢村賞を獲得し、「長いイニングを投げ切る」投手として育成されてきた経験が土台となっています。
120球前後をベースに投げ込む文化があった日本で鍛えられたスタミナと投球の効率性は、メジャーの環境でもそのまま生かされました。
MLBの常識「球数制限」を超えた理由
メジャーでは故障予防のため球数が厳格に管理される中、山本の投球フォームは「無駄がなく疲れが溜まりにくい」と多くの投手から高評価。
レジェンド左腕カーショウも「150球でも投げられる」と絶賛するほどでした。
独自の“回復メソッド”
山本は「登板後にアイシングをしない」など、一般的なトレーニングとは異なるアプローチを採用。
体の治癒サイクルを妨げない独自メソッドが、連投や中1日の登板を可能にした大きな理由です。
235球が象徴するものとは？山本由伸が残した“異能の投球”
PSで日本人初の2試合連続完投勝利
NLCS第2戦では111球で完投。
続くWS第2戦でも105球で完投勝利。
ポストシーズンで2試合連続完投は24年ぶりの快挙で、日本人としては史上初でした。
延長18回の死闘で中1日準備
試合は登板こそなかったものの、中1日で19回から投げる覚悟を決めて準備。指揮官ロバーツが抱き締めて感謝を示した姿は、大きな反響を呼びました。
第7戦で決着をつけた“伝説の救援”
第6戦で96球を投げた翌日、第7戦では救援としてマウンドへ。満塁の大ピンチを切り抜け、延長11回の優勝決定シーンではチームメイト全員が背番号18へ駆け寄りました。
WS3勝・MVPという歴史級の記録
・日本人史上2人目のWS MVP
・日本人単独トップのPS6勝
・WS3勝は24年ぶりの快挙
これらはすべて、山本が象徴した「235球」が生んだ歴史的成果です。
チームが山本を“絶対的エース”として信頼した理由は？
スネルとの深い信頼関係
登板後の映像チェックや戦術の助言など、山本の投手としての成長に大きく関与。肩を抱いてねぎらう姿は、シーズンを象徴するシーンでした。
カーショウから受け継いだ“投手哲学”
メジャー屈指のレジェンドからカーブの握りやフォームのアドバイスを受け、山本の成長を全力で支えました。1回持たずにKOされた試合後も30分間のキャッチボールで支え続けた姿は感動的でした。
大谷翔平の評価
大谷は山本を「本物のエース」と語り、最後のシャンパンファイトでは後ろから抱きかかえ祝福。
「彼が世界一の投手だと思っている。異論はない」
という言葉がすべてを物語っています。
山本由伸が変えた常識まとめ
山本由伸が2025年にメジャーに刻んだ“235球の真実”は、単なる球数の問題ではありません。
それは、
・MLBの投手起用の常識を揺さぶり
・日本式の育成哲学に再び注目を集め
・投手分業制に新たな視点を与え
・ロサンゼルスで“英雄”と称えられる存在へと昇華した
象徴的な数字です。
来季以降、「山本モデル」がMLBの新たな基準になる可能性すらあります。
この先どこまで進化し、どんな伝説を積み上げるのか。
世界中のファンが注目しています。
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よくある質問／Q&A
Q1：235球とは具体的に何を意味しますか？
A：完投2試合、中1日準備、第7戦救援など、山本がPS終盤に投げた“総投球量”を象徴した数字として扱われています。
Q2：山本由伸はなぜ連投できたのですか？
A：アイシングを行わない独自の回復メソッド、効率的なフォーム、日本時代の投球量などが大きく影響しています。
Q3：MLBで今後、完投型投手は増えるのでしょうか？
A：山本の成功により再評価されつつありますが、すべての投手に適用されるわけではなく、適性が重要です。
Q4：スネルやカーショウとの関係は？
A：両投手とも山本を支え続け、技術面・メンタル面で大きな影響を与えました。
Q5：山本の来季はどうなりますか？
A：今季の結果を踏まえ、“MLBトップクラスの絶対的エース”としてさらなる飛躍が期待されています。
