大谷翔平選手の代名詞となった言葉に、WBCで語られた「憧れるのをやめましょう」があります。
このメッセージは、その場の勢いで生まれた名言ではなく、高校時代に培われた思考の型と地続きです。
花巻東高校で大谷選手を導いた佐々木洋監督は、3歳上の先輩・菊池雄星投手への「憧れ」を、成長の燃料にしながらも“限界”にしない考え方を説きました。
「雄星になりたい」ではなく、「雄星を超える目標」を置く。誰かを目標にするのではなく、越える前提で設計する。
この発想こそが、のちに世界一を狙う舞台で言葉として結晶化した「脱・憧れ」の原点です。
花巻東高校で生まれた「脱・憧れ」という指導

大谷翔平選手は高校入学時点で、菊池雄星投手という明確な“理想像”を見ていました。
同じ花巻東の先輩であり、全国区の存在だった菊池投手は、当時の岩手にとっても特別な象徴です。
「雄星になりたい」では届く上限が決まる
佐々木監督が伝えたのは、憧れそのものを否定する話ではありません。
憧れは出発点として強い推進力になります。
ただし、憧れを「到達点」にしてしまうと、無意識のうちにゴールが固定されます。
だからこそ監督は、先輩を“基準”にしつつも、視線は必ずその先へ置くよう促しました。
目標は、誰かの背中ではなく、自分の上限を押し広げる方向に置くべきだという考え方です。
「超える目標」を掲げることで思考が変わる
「超える」前提に切り替わると、行動の質が変わります。
練習量だけでなく、必要な技術、体づくり、時間の使い方、メンタルの整え方まで、全部が“上の基準”に合わせて再設計されます。
憧れが「見本」から「天井」にならないようにする。
そのためのキーワードが「脱・憧れ」です。
菊池雄星を超えるための目標設定が大谷翔平を押し上げた
高校野球の目標は、しばしば「甲子園」「優勝」「エースになる」などの言葉で語られます。
もちろんそれらも尊い目標です。
しかし大谷翔平選手のケースでは、目標の置き方が最初から“規格外”でした。
「8球団指名」という“先輩超え”の設計
菊池雄星投手がプロで高く評価された事実があるからこそ、同じ地点を目指すだけでは足りない。
佐々木監督は、先輩を超える目標を掲げることで、成長の天井を最初から外す考え方を示しました。
この「目標を上に置く」設計は、口先の大言壮語ではありません。
高い目標があるからこそ、必要な準備が具体化し、毎日の行動に落ちていきます。
目標が高いほど「準備の粒度」が細かくなる
大きな夢を語るだけでは、現実は動きません。
一方で、到達したい水準が高いほど、日々のチェック項目は増えます。
- 体の使い方をどう改善するか
- 投球フォームをどう磨くか
- 栄養・睡眠・回復をどう整えるか
- メンタルの波をどう扱うか
「超える目標」は、努力を増やすだけでなく、努力の質を上げる装置になります。
WBCの「憧れるのをやめましょう」は高校時代の延長線にある

WBCの大舞台で語られた言葉が、多くの人の心に刺さった理由は明快です。
相手が“強いからこそ”必要になるマインドだからです。
憧れを捨てるのではなく「勝つ視点」に切り替える
強者を前にすると、人は無意識に相手を上に置きがちです。
すると、勝負の入り口で心理的に一段下がります。
そこで必要になるのが、尊敬は持ちながらも、試合の中では対等に立つ視点です。
「憧れるのをやめましょう」は、相手を貶す言葉ではありません。
勝つために、視点を“勝負の目線”へ戻す合図です。
最高の舞台ほど「思考の差」が結果になる
国際大会の頂点では、能力差よりも「判断の差」が勝敗を分けます。
その判断を鈍らせる最大の要因が、過剰な憧れや萎縮です。
高校時代に学んだ「脱・憧れ」の考え方は、世界の頂点でも通用する実戦的な武器になりました。
「脱・憧れ」を自分の目標に落とし込む方法
大谷翔平選手の高校時代の教えは、スポーツだけに限りません。
仕事や学習、挑戦全般に応用できます。
憧れの人は「比較対象」ではなく「教材」にする
憧れの対象は、眺めるためではなく、分解して学ぶためにいます。
何が優れているのかを要素に分け、再現可能な部分から自分に取り込む。
この姿勢があると、憧れは成長の燃料になります。
目標は「その人になりたい」ではなく「その人を超える」に置く
超える目標を置くと、自然と次の問いが生まれます。
「そのために、自分は何を変えるべきか」です。
問いが変わると、行動が変わり、結果も変わります。
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大谷翔平高校時代恩師が教えた脱憧れまとめ
大谷翔平選手の高校時代に示された「脱・憧れ」は、憧れを否定する教えではありません。
憧れを出発点にしながらも、到達点を“先輩の背中”で止めないための考え方です。
花巻東高校の佐々木監督が促したのは、「菊池雄星になりたい」ではなく「菊池雄星を超える目標」を置くという設計でした。
その積み重ねが、のちにWBCの舞台で「憧れるのをやめましょう」という言葉として表れ、世界一を狙う視点をチームに共有する力になりました。
憧れを力に変えたい人ほど、「脱・憧れ」の発想が武器になります。
尊敬は持ったまま、目標は必ずその先へ。これが、大谷翔平選手の原点の一つです。
