“今の山本由伸”を作った原点とは?

――中学・高校時代、プロ入り直後の苦労も糧に
「中学の時もそんなに特別に強いチームでもなかったですし、高校の時も甲子園に行ってないですし、僕がオリックス・バファローズに入った時も、まぁ弱かった時代に入って…」
と、山本由伸投手自身が語った通り、決して恵まれた環境からスター街道を歩んできたわけではありません。
高校は甲子園出場もなく、プロ入り時のオリックスも2015年から6年連続でBクラスが続く弱体期。
そんな逆境の中でこそ、山本投手は
「弱い時も経験したし、そこから強くなっていく過程も経験できたし、そのあとで強いチームはどういうのかというのも経験できた」
と語っています。
この発言から見えるのは、逆境を“経験値”として捉え、自身の成長の土台にしてきたという姿勢です。
強いチームでは実力だけでなく
「人間的にもすごい」「その輪の中で必死に頑張り続け、その場に居続けられるように努力したい」
と考える山本投手。
この
「輪の中に居続ける」
という意識も、チームで勝ち続ける投手としての基盤になっていると言えます。
オリックス時代で培った“強くなるプロセス”とは?

――入団3年目からタイトル連発、リーグ3連覇へ導いた原動力
2016年ドラフト4位で都城高校からオリックスに入団した山本投手。
プロ入り直後はチームも個人も厳しい状況でしたが、3年目には最優秀防御率を獲得し、2021年には史上12人目となる投手四冠を達成。
さらに、チームを2年連続最下位から25年ぶりのリーグ優勝に導き、3年連続リーグ制覇&自身も3年連続沢村賞獲得という栄光をつかみました。
このオリックス時代で、山本投手が得たのは
「弱いチームを勝てるチームに変えるプロセス」
を肌で感じる経験です。
チームの勝利のために自らが柱となって投げ抜く中で、技術だけでなく責任感・継続力・チーム志向といった要素が養われてきたのでしょう。
加えて、強くなった後のチームがどのような取り組みをしているのか、勝利の文化・勝ち癖を体感できたことも、現在のメジャー舞台で通用する“勝ちの価値観”を築く基盤になったはずです。
ドジャース移籍後、“優勝請負人”としての存在になった背景とは?
――「その輪」の一員として、頂点を目指し続ける姿勢
2024年にロサンゼルス・ドジャース入りすると、世界最高峰の舞台であるワールドシリーズ制覇に貢献。
2025年にはポストシーズンでの完全試合級の快投も記録し、名実共に“優勝請負人”的存在になっています。
特に、2025年のNLCS第2戦での完全試合(3安打1失点、奪三振7、111球)という圧巻の内容は、成長の集大成と呼べるものです。
山本投手の言葉の中にある
「その中の一員として、この輪の中で必死に頑張り続け、その場に居続けられるように頑張りたいな」
という意識。
これは、スター個人として輝くことではなく、チームの勝利・団体としての勝利の中で自分を研ぎ澄ませる姿勢を指しています。
苦しい時期を知っているからこそ
「勝つチームとは何か」
を理解し、頂点を知るチームで戦えることを喜びとして受け入れ、その役割を果たそうという姿勢が現在の山本投手の強さを支えています。
山本由伸今を形成した原点まとめ
山本由伸投手が“今”の姿を築いた背景には、「弱い時期を知る」「成長のプロセスを経験する」「勝てるチームの文化を体感する」という三つのステップがあります。
甲子園未出場・プロ入り時のチーム低迷といった逆境を、成長の糧として捉え、オリックス時代に勝利の価値観を身につけ、ドジャース移籍後には「輪」の中の一員として勝利を追い求める。
こうした一貫した姿勢が、“優勝請負人”たる現在の山本投手を形作っているのです。
今後もこの成長サイクルを武器に、更なる大舞台での活躍が期待されます。
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よくある質問/Q&A
Q1:山本由伸投手がオリックス時代に学んだことは何ですか?
A:弱いチームから強いチームへ変わる過程を経験し、勝利の文化や責任感・継続力・チーム志向といった要素を培いました。
Q2:ドジャース移籍後に意識していることは?
A:「その輪」の中で自分が求められる役割を果たし続け、「居続けられるように頑張る」という姿勢を持ち続けています。
Q3:甲子園未出場だったことはマイナスでしたか?
A:否です。むしろ、その“普通の出発点”から這い上がる過程こそが山本投手の成長の原動力となり、現在の強さにつながっています。

