なぜ今シーズン、大谷翔平が投手復帰できたのか?

ロサンゼルス・ドジャースの監督である デーブ・ロバーツ 氏は、日本テレビ系列「Going! Sports & News」で、大谷の投手復帰プロセスについてこう語りました。
大谷は2023年に右肘(UCL)修復手術を受け、翌2024年シーズンは打者専念となっていました。
その後、2025年シーズンに投手として復帰。
6月16日の対 サンディエゴ・パドレス 戦で、実に663日ぶりにマウンドに立ち、1回2安打1失点という内容でした。
ロバーツ監督は
「手術明けだったので、どうなるか分からなかった。あれほど好投できたのには感心した」
と述べ、さらに
「1年間かけて少しずつビルドアップしていった」
と明かしました。
これが意味するのは、単にトミー・ジョン手術からの復帰というだけでなく、打者としても出場しながら“投手モード”へ段階的に導入していったという点です。
なぜ「マイナーでリハビリ」ではなかったのか?
通常、投手で大規模手術から復帰する際は、マイナーリーグでのリハビリ登板が定石です。
しかしロバーツ監督は、
「怪我からの復活を目指すピッチャーは、通常、リハビリのためにマイナーリーグで投げる。しかし、指名打者の翔平を打線から外すわけにはいかなかった。私たちはクリエイティブな思考で、彼がリハビリと打撃を両立できる方法を見つける必要があった」
と述べています。
つまり、大谷は
「打者として出場しながら、投手としての段階的復帰」
モデルを採用されていたのです。
その工程をロバーツ監督は次のように整理しています:
- 初めは「1イニング」登板からスタート
- 続いて「3イニング」「4イニング」と徐々に投球回数を延ばす
- トレーニング部門・医師団と連携し進行
このような計画の背景には
「試合前の投球練習よりも、実戦で投げた方が体力面での負担が少ない」
という判断があったといいます。
その結果、大谷は実戦を“リハビリ”の場として活用しながら「打つ/投げる」を並行してこなしました。
実戦復帰後の成績と驚きの投球内容

復帰登板の6月16日・パドレス戦では1回を投げて2安打1失点。
それからイニング数を少しずつ伸ばし、8月27日・対 シンシナティ・レッズ戦では自身復帰後最多となる87球を投げ、5回2安打2四球9奪三振1失点で今季初勝利を挙げています。
シーズン最終的には先発14試合、1勝1敗、防御率2.87、WHIP1.04、47回で奪三振62という奪三振率11.87をマークし、MLBトップ水準の指標を達成しました。
この結果に関し、ロバーツ監督は
「怪我明けとは思えない」と絶賛しています。
そして注目の「WBC出場」の可能性も浮上
2026年3月に開催予定の 2026ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、侍ジャパンの “二刀流エース”として大谷の参加可否が注目されています。
ロバーツ監督は、
「翔平がWBCで投げたら個人的には驚きだ。どうするか決めるのは、選手本人だけどね」
と語り、示唆的なコメントを残しています。
もちろん打者としての出場は十分に想定されており、投手としての出場には慎重な姿勢を示しています。
投打両面で期待される中、2026年シーズンの序盤から大谷の動向が大きな関心を集めることになりそうです。
ロバーツ監督明かす大谷翔平投手復帰過程まとめ
大谷翔平が投手として復帰を果たした背景には、単なる “手術からの復活” ではなく、「打者として出場しながら投手として段階的に復帰する」という極めて戦略的なロードマップがありました。
ロバーツ監督の言葉通り、マイナーリハビリを使わずに実戦をリハビリにするモデルは、ある意味で新機軸。
今季の奪三振率11.87という数字が、準備の質を物語っています。
そして、WBCで「投げられるかもしれない」という期待もあり、2026年シーズンは“どのように二刀流を続けるか”という点も含めて注目です。
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よくある質問/Q&A
Q1:なぜ大谷はマイナーで投げなかったのですか?
A1:打者としてスタメンを外すわけにはいかず、かつ投手復帰のためにマイナーに行って長期間離脱するという選択肢を避け、実戦出場をリハビリとして活用する方式を採用したためです。
Q2:2025年シーズンの投手成績はどのようなものでしたか?
A2:先発14試合、1勝1敗、防御率2.87、WHIP1.04、47回で62奪三振という成績を残し、奪三振率は11.87に達しました。
Q3:2026年WBCで投手として出場する可能性はありますか?
A3:ロバーツ監督は「投げたら驚きだ」と発言しており、投手としての出場には慎重な姿勢を示しています。打者出場はより現実的と考えられます。
Q4:この復帰過程で特に注目すべきポイントは?
A4:打者と投手を同時にこなす「二刀流」の復帰モデルを、マイナー経由ではなくメジャー実戦を使って構築した点です。従来にないアプローチと言えます。

