こんにちは。今回は、2024年のメジャーリーグで最大の破壊力を備えると言われるロサンゼルス・ドジャースの打線について、上位だけでなく下位も充実しているかどうかを考察してみたいと思います。
MVP経験者トリオが牽引する上位打線
ドジャースの上位打線は、MVP経験者トリオ(大谷翔平、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマン)で構成されています。
この3人は、それぞれ異なるタイプの打者でありながら、高い出塁能力と長打力を兼ね備えています。
大谷は左打者でありながら、左投手に対しても強く、パワーとスピードの両方を持ち合わせています。
ベッツは右打者でありながら、右投手に対しても強く、打撃だけでなく守備や走塁でもチームに貢献しています。
フリーマンは左打者でありながら、内角に強く、四球を多く選び、安定した打率を維持しています。
この3人は、昨季揃って出塁率4割を超え、それぞれ30本塁打以上をマークしました。
打席に立つ度に、相手投手にプレッシャーをかけることができます。
勝負のシーズンを迎える4番の捕手・スミス
ドジャースにとって、上位打線と同じくらい価値の高い選手が4番に予定されるウィル・スミス捕手です(ちなみに背番号はドジャース時代の野茂英雄と同じ「16」)。
スミスは、2016年ドラフト1巡指名の生え抜き選手で、2019年にメジャーデビュー、2021年に正捕手になり、2023年にオールスター初選出しました。
攻守に優れているのですが、その存在価値を如実に示すのがチーム成績です。
昨季ドジャースはスミスが先発した試合は80勝40敗、先発以外の時は20勝22敗と負け越していました。
スミスは、投手陣のリードやコントロールにも大きく貢献しています。
スミスは、打撃面でもチームに欠かせない存在です。
昨季は打率.287、出塁率.368、長打率.522、25本塁打、82打点という好成績を残しました。
特にクラッチな場面での打撃力は抜群で、得点圏打率は.333、ランナー在塁時のOPSは1.000を超えていました。
スミスは、前を打つ3人が出塁した後に、確実に得点に結びつけることができます。
スミスは、今季に向けて期するものがあるはずです。
このオフ、ドジャースは大谷らと大型契約を結んだのですが、スミスの契約は単年で855万ドル(約12億8500万円、1ドル=150円)です。
FA資格を得るまであと2年ですが、3月には29歳になります。
重労働の捕手では、30代になると衰えが来るのも早いと信じられているだけに、大暴れでこのオフに巨額の契約延長を勝ち取りたいところです。
少なくともウィルソン・コントレラスが1年前にセントルイス・カージナルスと結んだ5年総額8750万ドル(約131億2500万円)は抜きたいところでしょう。
不安要素の多い5番以下の打線
さて1番から4番までは良い話ばかりですが、5番から9番の打者は不安要素が少なくないです。
5番のマックス・マンシー三塁手はチームのレギュラーでは最も古株です。
2018年以降、4度も35本塁打以上をマークし、466四球はチーム最多です。
ですが、近年は打率が低迷し2022年は.196、2023年は.212でした。さらに三振も多いです。
2021年の最後の試合で右ひじ側副じん帯を痛めたのですが、その影響が今も残っているそうです。
守備はもともと得意ではなく、2年前から三塁に回ったのですが、2022年は三塁で10失策、2023年はナ・リーグ三塁手でワーストの16失策でした。
6番はテオスカー・ヘルナンデス左翼手です。
指名打者を右打者のJD・マルティネスから左打者の大谷に代えることで、左投手を攻略できる右の大砲がもう一枚必要になりました。
ヘルナンデスは8年のメジャーキャリアで対左投手の通算OPSが.887です。
とはいえ昨季のヘルナンデスはシアトル・マリナーズで打率.258、出塁率.305、長打率.435と著しく成績を落としていました。
ロバーツ監督は
「大事なのは周りの打者を信じて、ストライクゾーンの球に集中すること。それができれば長打は付いてくる」
と期待します。
性格は陽気で、ドジャースの公式X(旧ツィッター)には笑顔で大谷にスペイン語を教える様子が投稿されています。
7番はジェイソン・ヘイワード右翼手です。
2021年、2022年はシカゴ・カブスで打率.214、.204の不振、2023年はドジャースで.269と復活しましたが、34歳の今年も好成績を維持できるかどうかは分かりません。
8番、9番はジェームズ・アウトマン中堅手とガビン・ラックス遊撃手です。
ともにドジャース生え抜きの若手で、うまくいけばスターになるかもしれませんが、期待外れで全く活躍できないかもしれません。
特にラックスは遊撃手としてシーズンを通してレギュラーでプレーするのは初めてです。
ロハスはじめ控えは充実
アンドリュー・フリードマン編成本部長の腕の見せ所は、こういった選手がスランプに陥った時に、ほかの選手で補えるようきちんと準備しておくことです。
2月26日、10年のキャリアで捕手以外はすべて経験があるスーパーユーティリティ選手のキケ・ヘルナンデスと再契約しました。
ほかにも6つのポジションが守れる器用なクリス・テイラーがいて、このふたりがいれば大抵のポジションで穴を埋められます。
ラックスが不振の時の代役は、ミゲル・ロハスです。
メジャーの10年選手で2月24日に35歳になりましたが、守備は今でも抜群です。
2021年から2023年の遊撃手の守備防御点(DRS/defensive runs saved:同じポジションの平均的野手と比べて守備で何点防いだかを示す指標)は「32」 で全体1位です。
ロハスはキャンプが始まる時に、大谷と山本由伸のロッカーに入団を歓迎する直筆の手紙と高級ワインを置きました。
ベネズエラ出身のベテランは
「違う国から来て、新しいチームに加わることがどんな感じか知っている。歓迎されていると感じてもらえるようにしたかった」
と説明しているように、常にチームのことを考える選手です。
昨季カンザスシティ・ロイヤルズ相手に連敗を喫したことがありましたが、ミーティングで
「緊迫感を持ってプレーすべき」
とロハスがチーム全員を諭しました。
「監督が仕事をやりやすくするのも自分の役割」
と話します。
引退後は監督になりたいという願望があるそうです。
※大谷翔平選手やドジャースの最新情報発信!ショウタイムズはコチラ
ドジャース打線2024まとめ
現時点でロナルド・アクーニャやマット・オルソンのいるブレーブス打線とドジャース打線を比較すると、ブレーブスの方が若干上に見えます。
ですが、こればかりはふたを開けてみないと分かりません。
両球団の最初の直接対決は、5月3日からロサンゼルスでの3連戦です。
その頃には2024年の打線が機能しているかどうか、ある程度見えているでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました!
コメント