なぜ大谷翔平はバットを変更したのか?

MLBでワールドシリーズ連覇を達成したロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手。
今季、大谷選手は使用するバットを変更し、昨季の約86.4センチから約88.9センチへと長くしました。
この変更は、昨季以上の飛距離と打球スピードを追求するための挑戦だったと見られています。
55本塁打、OPS1.014という圧倒的な成績を残した中での変更に、元巨人監督・高橋由伸さんは
「普通はあまりいじりたくない」
と語り、井口資仁さんも
「リスクが高いですよね」
とコメントしています。
長いバットにどんなリスクがあるのか?
井口さんは
「長くするとバットの先が重くなり、遠心力が強くかかる」
と説明します。
そのため、ヘッドが下がりやすくなり、ミートが難しくなるといいます。
さらに
「長くなればなるほどヘッドスピードは落ちる」
と指摘し、力と技術の両立が不可欠であると強調しました。
一方、高橋さんは
「クギを打つのと一緒です。近い距離なら簡単ですが、遠いと正確に当てるのは難しい。長いバットを操るには高い技術が必要」
と語りました。
つまり、大谷選手は自らの筋力・スピード・精密なスイングコントロールを総動員して、このリスクの高いバットを完全に使いこなしているということです。
なぜリスクを冒してまでバットを変えたのか?
井口さんは
「昨年以上の打撃を求めての変化」
だと語ります。
すでにナ・リーグを代表する打者である大谷選手が、それでも自分をさらに進化させるためにあえて挑戦したのです。
大谷選手のホームランには以前よりも打球角度が高く、飛距離も伸びています。
これは長尺バットによって
「より遠いポイントでボールを捉える」
ようになった結果と分析されています。
単なるパワーではなく、タイミングとスイング軌道の最適化による成果といえます。
レジェンド・王貞治との共通点とは?
井口さんは
「僕がダイエー(現ソフトバンク)に入ったとき、王会長が『俺は毎年50本打っていても毎年フォームを変えた』と言っていた」
と明かしました。
そして
「当時は理解できなかったが、大谷選手がバットを変えたと聞いて、その意味が分かった。こういうレベルの選手は常に進化を続ける」
と語ります。
結果を出しているにもかかわらず、自ら変化を恐れず挑戦を続ける。
その姿勢こそが、王貞治さんと大谷翔平選手に共通する“レジェンドの条件”といえるでしょう。
大谷翔平の進化はどこまで続くのか?
今季もナ・リーグDH部門でシルバースラッガー賞を受賞し、3年連続4度目の栄冠を手にした大谷選手。
フォーム、タイミング、バットの長さ――全てを再構築しながら、彼はなお進化を続けています。
長尺バットは誰にでも扱える道具ではありません。
しかし、それを“使いこなす”ことができるのが、世界最高峰の打者・大谷翔平です。
彼の探究心と挑戦が、MLBの歴史をまた塗り替えています。
大谷翔平王貞治共通点まとめ
大谷翔平選手がバットを長くした理由は、単なるパワー強化ではなく「常に進化を求める姿勢」にあります。
高橋由伸さんや井口資仁さんが語るように、これは普通の選手には難しい挑戦です。
しかし、王貞治さんのように“常に変化を恐れない”姿勢こそが、大谷翔平を唯一無二の存在にしています。
バット1本の変更にも、世界最高峰の意識と努力が詰まっている――それが、今季の大谷翔平の真価といえるでしょう。
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よくある質問/Q&A
Q1:なぜ大谷選手はバットを長くしたのですか?
A:より遠いポイントでボールを捉えることで、飛距離と打球速度を向上させるためです。
Q2:長尺バットのデメリットは?
A:ヘッドが重くなり、スイングスピードが落ちやすく、ミートが難しくなる点です。
Q3:他の選手も同じようにバットを変えますか?
A:いいえ。高橋由伸さんが語るように、普通は結果を出している時にバットを変えることはほとんどありません。
Q4:王貞治さんとの共通点とは?
A:結果を出し続けながらも、常にフォームや道具を変え続ける“進化の姿勢”が共通しています。
Q5:この変更は今後も続く可能性がありますか?
A:はい。大谷選手は常に自己の限界を超えるために挑戦を続けており、さらなる改良も期待されています。

