なぜ今、先発完投という“古典的構図”が注目されているのか?

2025年10月25日(日本時間26日)、山本由伸投手(ロサンゼルス・ドジャース)がワールドシリーズ第2戦で9回4安打1失点の完投勝利を飾りました。
近年のメジャーリーグでは、先発・中継ぎ・抑えの分業化が進み、「オープナー」や「ショートスターター」といった戦略が主流となっていました。
その結果、先発完投型の投手は“絶滅危惧種”とまで言われる存在になっていたのです。
しかし、山本の快投がその流れを一変させました。ドジャースのレジェンド左腕クレイトン・カーショーは試合後、こう語りました。
「正直、2試合連続完投が見られるとは思っていなかった。でも、もしかしたら野球が本来の姿に戻る兆しかもしれないね。やっぱり先発投手の投げ合いは野球の醍醐味だ。こういう試合を見れば、将来またそういう流れに戻っていくかもしれないね。そう願っているよ」
カーショーが絶賛した“山本由伸”の投球とは?
カーショーは、山本の投球について
「彼の投球は美しい。6つもの球種を自在に操り、試合を支配していた」
と絶賛しました。
かつて2014年にリーグ最多6完投を記録したカーショー自身も、先発完投型の象徴的存在でした。
そんな名投手が心から称えた理由は、山本の
「安定した制球力」「変化球の多彩さ」「試合運びの巧みさ」
にあります。
カーショーはさらにこう続けました。
「多くの投手は完投できる力を持っていると思う。ただ、時代の流れがそれを難しくしているんです。球数が増えても球威が落ちていないのに、3巡目になると違うタイプの投手を出そうとする。でもヨシなら150球でも投げられると思うよ」
“完投”がもたらすチームへの影響とは?
先発投手が長いイニングを投げ切ることは、チーム全体に大きなメリットをもたらします。
カーショーは、
「先発が長く投げてくれれば救援陣の負担が減り、適切な場面で起用できる。打線にも余裕が生まれる。つまり、野球はすべて先発投手から始まるんだ」
と語りました。
ドジャースのローテーションには、山本をはじめ、長いイニングを任せられる投手が4人も揃っており、まさに理想的な構成です。
また、山本の完投によって救援陣は温存され、チーム全体の戦力バランスが保たれるという好循環も生まれました。
野球は“本来の姿”に戻るのか?
カーショーが語る
「野球が本来の姿に戻る」
という言葉には、現代野球の変化への警鐘と希望の両方が込められています。
データ分析や投手分業制の発展により、
「効率的な継投」
が正義とされてきた時代。
しかし、山本のような完投型投手が結果を残すことで、再び“投げ抜く先発”の価値が見直されつつあります。
ファンにとっても、9回を投げ切る姿は
「野球の原点」
を思い出させるもの。
ドジャースのベテランたちが誇らしげに見守る中、山本の完投は単なる勝利以上の意味を持っていました。
山本由伸の完投勝利がもたらした勢い
この勝利で、ドジャースはシリーズを1勝1敗のタイに戻しました。
過去のデータでは、ワールドシリーズ第2戦の勝者が世界一となる確率は約65%。この一勝がチームの勢いを大きく変えたのは間違いありません。
カーショーは最後にこう締めくくりました。
「先発投手が試合を支配する姿を、また見られるのは本当にうれしい。ヨシはその象徴だよ」
山本由伸完投カーショー本来の姿に戻るかもまとめ
山本由伸の2試合連続完投勝利は、現代野球の常識を覆す出来事でした。
分業化が進んだメジャーで、先発投手が9回を投げ切る姿は“時代遅れ”ではなく、“未来を示す”ものになりつつあります。
カーショーが語ったように、「野球が本来の姿に戻る」――その予感を、山本の投球が呼び覚ましたのです。
※大谷翔平選手やドジャースの最新情報発信!ショウタイムズはコチラ
よくある質問/Q&A
Q1. なぜ山本由伸の完投が特別視されているのですか?
A1. 現代MLBでは完投数が激減しており、1シーズンに2完投で最多という時代です。そんな中、ポストシーズンで2試合連続完投を達成した山本は極めて稀な存在です。
Q2. カーショーはどんな点を評価していましたか?
A2. 球種の多彩さ、制球の正確さ、試合の組み立ての巧さを高く評価し、「150球でもいける」と信頼を寄せていました。
Q3. 山本の完投でチームにどんな効果がありましたか?
A3. 救援陣を休ませることができ、シリーズの後半戦に向けて戦力を温存できました。精神的にもチームが一体となる効果が生まれています。
Q4. この流れで“完投ブーム”は再来しますか?
A4. 一気に増えるとは言えませんが、山本のような成功例が出ることで、若手投手の育成方針やチーム戦略の見直しが進む可能性があります。
Q5. カーショーの言う「本来の野球」とは何ですか?
A5. 投手が最後まで責任を持って試合を作り、相手と真正面から勝負する姿勢を指します。山本の投球はまさにその“原点”を体現していました。

