近年、100マイル(約160.9km/h)を超える速球を投げる先発投手の数が飛躍的に増加しており、2025年シーズンはその「球速革命」がついに臨界点を迎えているようです。
かつてはクローザーの専売特許と見なされていた三桁速球が、リリーフ投手を経て先発陣にも拡がり、メジャーリーグ全体で100マイル超え先発が当たり前になりつつあります。
今回は、2025年シーズンおよびポストシーズンにおける三桁速球の急増を軸に、球速トレンドの背景と今後の展望を考察します。
先発投手の100マイル超え:2025年レギュラーシーズンで記録的な量産が始まった?
2025年レギュラーシーズンにおいて、先発投手が投じた100マイルを超える球は 761球 に達し、前年の264球のほぼ3倍という圧倒的な跳躍を見せました。
これは史上最多レベルの数字です。
この急増を支えるのは、23人もの先発投手が少なくとも1球は三桁速球を記録している点。
たとえばドジャースの大谷翔平もそのうちの一人です。
このような傾向は、単なる偶然や一時的なブームではなく、投手育成・トレーニング法の進化、投球解析技術の発展、そしてピッチング哲学の変化が複合的に作用した結果と見るべきでしょう。
ポストシーズンでも広がる100マイル先発の波?

100マイル超えを投げる動きは、ポストシーズンにもその勢いを持ち込みつつあります。
ワイルドカードラウンドだけでも、すでに先発投手が投じた100マイル級の球数は 51球 に達しており、これは過去のポストシーズン全体と比べても上回る数字です(2020年シーズンの全体での100マイル球数は48球)。
具体的には、レッズのハンター・グリーンが28球、タイガースのタリク・スクバルが11球、ヤンキースのカム・シュリトラーも11球を記録。
さらに レッドソックスのギャレット・クロシェも1球を投じています。
このように、地区シリーズ・リーグシリーズへ進むにつれて、100マイル先発投手の数や投じられる球数はさらに拡大する可能性があります。
なぜ先発投手でも100マイル超えが一般化し始めたのか?

以下の要因が重なって、先発投手の三桁速球化が加速していると考えられます:
若手投手の増加と高速化
近年、23〜26歳前後の若手先発が三桁速球を武器に頭角を現すケースが多く、2025年には95マイル超平均速球投手が23人おり、そのうち13人は26歳以下というデータもあります。
つまり若手世代が球速ベースで先発ローテーションを支え始めており、100マイル先発の“標準化”を後押ししています。
トレーニング&技術向上、データ利活用
体幹強化、筋力トレーニング、ピッチング動作解析(動画解析、センサー技術など)の進化により、重心移動、腕振り、リリースタイミングの最適化などが以前より精緻化されました。
また、各球団が投球データ(球速、回転数、リリースポイントなど)をリアルタイムで分析し、改善を図る体制が整ってきている点も無視できません。
競争環境と先発の役割変化
先発投手といえども“投げ勝つ”力がこれまで以上に求められており、球速で威圧できることは明確なアドバンテージになります。
また、スター投手(例:大谷翔平など)が三桁速球を放つことが注目を集め、それが“基準”として意識される文化的変化も働いていると考えられます。
今後の展望と留意点は?
この100マイル先発時代がさらに深化していくと予想される中で、以下の点に注目したいと考えます。
- 疲労・故障リスク管理:速球を出すほど肘や肩への負担は大きくなるため、投球数管理や回復ケアがますます重要になります。
- 変化球・制球力とのバランス:速球だけで打者を抑えるのは困難なため、スライダー・チェンジアップ・シンカーなど変化球の質も同時進化が求められます。
- 長期持続性:100マイル先発がピーク戦力となる傾向が強まる一方で、投手寿命とのせめぎ合いが生じる可能性も否定できません。
- 普及と底上げ:三桁速球を投げられる先発投手が一般化すれば、各球団・各国でその育成法や適応法が模索され、レベルの底上げが期待されます。
2025年100マイル先発投手時代まとめ
2025年に突入して、先発投手による100マイル超え球の“量産時代”が本格到来しました。
レギュラーシーズンでは761球という歴史的数字を記録し、ポストシーズンでもその潮流はとどまることを知りません。
若手投手の躍進、トレーニング技術・データ分析の進展、投手起用構造の変化が三者一体となって、先発投手の球速革命を押し上げています。
今後は故障リスクとのバランス、制球・変化球との両立などが鍵となるでしょう。
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よくある質問 / Q&A
Q1:100マイルは何km/hに相当しますか?
A:およそ 160.9km/h(1マイル=1.609km換算)です。
Q2:大谷翔平は先発としても100マイルを投げているのですか?
A:はい、報道によれば彼はその流れを代表する先発投手の一人として三桁速球を記録しています。
Q3:100マイル先発投手は他球団でも出てきそうですか?
A:十分可能性が高いです。現状で23人もの選手が記録しており、若手育成力の向上や技術普及によってさらなる拡大が予想されます。
Q4:速球ばかり投げて故障が増える可能性はありませんか?
A:確かに速球は身体への負荷が大きいため、投球数制限や回復ケア、トラックマンデータ活用などによる管理が重要となります。
Q5:今後「100マイル投手」の価値はどうなるのでしょうか?
A:もはや“特権”ではなく“前提”の一形態になりつつあり、それ自体は差別化要素ではなくなる可能性があります。ただし球速+制球力+変化球のトータル性能での差別化はますます重要になるでしょう。