ドジャースの大谷翔平選手は、初めてのナ・リーグとなる2024年もMVPの候補に挙げられています。
しかし、その道のりは決して平坦ではありません。
DH専任の選手がMVPを獲得したことは過去になく、過去の例を見ても、圧倒的な数字を残さなければならないことが分かります。
果たして、大谷選手は史上初の快挙を成し遂げることができるのでしょうか?
この記事では、MLB公式が予想した2024年MVP候補の結果と、大谷選手がMVPを獲得するために必要な“圧倒的数字”について解説します。
MLB公式が予想した2024年MVP候補の結果
MLB公式サイトは「2024年MVP有力候補たちは誰? そしてダークホースは?」という記事で、2024年のMVP候補を予想しました。
その結果は以下の通りです。
- 1位:ムーキー・ベッツ(ドジャース)
- 2位:ロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)
- 3位:大谷翔平(ドジャース)
- 4位:フアン・ソト(ナショナルズ)
- 5位:コーディ・ベリンジャー(ドジャース)
- ダークホース:ブライス・ハーパー(フィリーズ)、クリスチャン・イエリッチ(ブルワーズ)、フェルナンド・タティスJr.(パドレス)
1位には、2018年のMVPであるムーキー・ベッツ選手が選ばれました。
ベッツ選手は、打撃だけでなく守備や走塁でも優れた能力を発揮し、チームの勝利に貢献しています。
2位には、ロナルド・アクーニャJr.選手が選ばれました。
アクーニャJr.選手は、パワーとスピードを兼ね備えた若きスターで、40本塁打・40盗塁の可能性を秘めています。
そして、3位には、大谷翔平選手が選ばれました。
大谷選手は、昨年エンゼルスからドジャースに移籍し、初めてのナ・リーグでのプレーとなります。
昨年は、史上初の2度目の満票でア・リーグのMVPに輝きました。
しかし、昨秋に受けた右肘の手術の影響で、今季は投手としての登板は見送られ、打者一本となります。
それでも、大谷選手の打撃能力は、MVP候補に十分なものです。
引用元:スポーツナビ
DH専任の選手がMVPを獲得したことはない
しかし、大谷選手がMVPを獲得するには、歴史的な壁が立ちはだかります。
それは、DH専任の選手がMVPを獲得したことがないという事実です。
DHとは、指名打者のことで、投手の代わりに打席に立つ役割です。
DHは、ア・リーグで1973年から導入されましたが、ナ・リーグでは通常の試合では使用されませんでした。
しかし、2020年からは、新型コロナウイルスの影響で、両リーグともにDHを採用することになりました。
そのため、大谷選手は、ナ・リーグでもDHとして出場することができます。
DH専任の選手がMVPを獲得したことがない理由
DH専任の選手がMVPを獲得したことがない理由は、打撃専門となるDHは守備に就かないため、守備面での貢献度がゼロだからである。
近年のメジャーのMVP投票で重要視されるようになっている指標「WAR」の計算式でも、DHは一律にマイナス評価を下される。
守備に就く野手よりもはるかに良い成績を残さない限り、同等の価値を認められないのだ。
過去の例から見る“圧倒的数字”とは?
では、DH専任の選手がMVPを獲得するには、どのくらいの“圧倒的数字”が必要なのだろうか。
過去の例を見てみよう。
- 1993年:ポール・モリター(ブルージェイズ)
- 打率.332(リーグ3位)、211安打(リーグ1位)、22本塁打、111打点、22盗塁
- MVP投票で次点(1位はフランク・トーマス)
- チームはワールドシリーズ優勝
- 2000年:フランク・トーマス(ホワイトソックス)
- 打率.328(リーグ4位)、43本塁打(リーグ2位)、143打点(リーグ1位)、出塁率.436(リーグ1位)、OPS1.061(リーグ1位)
- MVP投票で次点(1位はジェイソン・ジアンビ)
- チームは地区優勝
- 2005年:デビッド・オルティス(レッドソックス)
- 打率.300、47本塁打(リーグ1位)、148打点(リーグ1位)、OPS1.001(リーグ3位)
- MVP投票で次点(1位はアレックス・ロドリゲス)
- チームはワイルドカード獲得
これらの選手は、いずれも打撃三冠王にはならなかったが、本塁打と打点の二冠王にはなった。
また、チームはいずれもプレーオフに進出した。
それでも、MVPには届かなかったのである。
これは、DH専任の選手がMVPを獲得するには、打撃三冠王になるか、それに近い成績を残さなければならないことを示している。
大谷選手は“圧倒的数字”を残せるのか?
では、大谷選手は、打撃三冠王になるか、それに近い成績を残せるのだろうか。
昨年の成績を見ると、打率.304、44本塁打、95 打点、OPS1.066と、非常に高い水準を示している。しかし、これではまだ不十分である。
なぜなら、ナ・リーグには、大谷選手よりも打撃成績が優れた選手がいるからである。
その選手とは、ロナルド・アクーニャJr.選手である。
アクーニャJr.選手は、昨年にメジャー史上初となる「40本塁打・70盗塁(41本、73盗塁)」を達成し、打率も.337で2位となり、大谷選手と同じく満票でMVPに輝いた。
また、WARも8.3でリーグ1位だった。
アクーニャJr.選手は、パワーとスピードを兼ね備えた若きスターで、今季も同様の成績を残す可能性が高い。
さらに、彼は外野手としても優れた守備力を発揮するため、DH専任の大谷選手よりも貢献度が高いと評価されるだろう。
大谷選手がアクーニャJr.選手を上回るには、打撃成績だけでなく、そのインパクトも重要である。
例えば、ナ・リーグでは22年間出ていない60本塁打の大台に届けば、相当大きな話題となるだろう。
もしくは、これまで例のない50本塁打&25盗塁はどうか。
昨年も44本、20盗塁だったので、こちらは現実味がありそうだ。
それに加えてOPSも1位になれば、DHであっても受賞の可能性は出てくるのではないか。
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大谷翔平MLB公式MVP予想まとめ
大谷選手は、今季はDH専任となり、MVPを獲得するためには歴史的な壁に挑むことになる。
DH専任の選手がMVPを獲得したことは過去になく、過去の例を見ても、圧倒的な数字を残さなければならないことが分かる。
また、ナ・リーグには、大谷選手よりも打撃成績が優れた選手がいるため、それを上回る必要がある。
大谷選手がMVPを獲得するには、打撃三冠王になるか、それに近い成績を残すか、それ以外にもインパクトのある記録を作るかのいずれかが必要である。
果たして、大谷選手は史上初の快挙を成し遂げることができるのだろうか。
今季の彼の活躍に注目したい。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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