山本由伸はなぜ2戦連続完投勝利でチームを救ったのか?
ロサンゼルス・ドジャースの山本由伸投手(27歳)がポストシーズンの大舞台で、2戦連続の完投勝利を飾りました。
圧巻のピッチングで、シリーズを1勝1敗のタイに戻し、チームを窮地から救ったと言っても過言ではありません。
この偉業は、ポストシーズンで「2試合連続完投勝利」という記録において、2001年のカート・シリング以来となる24年ぶりの快挙という位置づけです。
悪い流れが続いていたドジャースにとって、この勝利は極めて重要でした。
チームのブルペン(中継ぎ・抑え投手)を休ませながら、先発投手自身が最後までマウンドを守り切ることで、次戦以降の戦略にも余裕をもたらしました。
また、打線も序盤に先制点を獲得。
これが山本投手にとって“有利な条件”を生み、彼の持ち味である冷静な勝負強さが最大限に発揮されました。
山本由伸はどんなピンチをどう乗り越えたのか?

試合序盤から山本投手には“試される”場面が多くありました。
初回、先頭打者に二塁打を許し、続く打者の安打で無死一・三塁という大ピンチ。
ここで主砲ウラジーミル・ゲレロJr.との勝負に持ち込み、代名詞の“ヨーヨーカーブ”を駆使して空振り三振を奪うなど、勝負どころでギアを上げて流れを引き寄せました。
さらに2回には、守備の乱れで不運にも内野安打を許しました。
通常ならこのような“つまずき”がリズム崩壊につながりかねませんが、山本投手は落ち着いていました。
フルカウントから156キロ級のツーシームで追い込んで三振、さらに中飛・好守で後続を断つという“ピンチで切り抜ける”構えを見せました。
3回も先頭打者への死球で雰囲気が傾きかけましたが、打者ルーカスを156キロ超の直球で空振り三振に。
ゲレロJr.にヒットを許し一・三塁とされるも、カークを低めスライダーで失点に追い込まれる形を許すまでで止め、追加点を与えませんでした。
以降4回以降は完全に主導権を握り、最終的に9回まで被安打4・与死球1・失点1・8奪三振という内容で完投しました。
このように
「序盤のピンチを引きずらず、勝負所で決める」
という構図こそ、短期決戦では勝者側に必ず見られる投手の特長です。
山本由伸は、それをまさに体現しました。
なぜこの“24年ぶり”という記録が意味深いのか?
現代のメジャーリーグでは、先発投手が9回を投げ切る“完投”自体が激減しています。
ましてやポストシーズンでは、球数制限・データ起用・継投重視の戦略により、7回・8回で交代というパターンが主流です。
その中で山本由伸が2戦連続で9回を自身で投げ切り、且つ勝利を収めたという事実は、単に“凄い”を超えて“異例”です。
これはチームにとって大きな意味を持ちます。
なぜなら、先発が最後まで投げることで“中継ぎを温存できる”=次戦以降の戦略的な余裕が生まれるからです。
シリーズを1勝1敗のタイで迎えられるか否か、さらに言えばドジャースが主導権を握ってホームゲームに戻れるか否か。
その大きな分かれ目にも、この“完投勝利”は繋がっています。
そしてその舞台で、山本由伸が自らを“ゲームチェンジャー”に変えたわけです。
山本由伸の今季数字がどれだけ異次元か?
山本由伸の2025年レギュラーシーズン成績は以下の通りです。
- 登板数:30試合
- 勝敗:12勝8敗
- 防御率:2.49
- 投球回:173回2/3
- 奪三振:201
- 被打率:.183
- WHIP:0.99
これらの数字は、ひとつひとつが“優秀”というレベルを超えており、複数指標が同時に超ハイレベルであることが極めて稀です。
具体的には「防御率2.50以下」「200奪三振以上」「被打率.200未満」「WHIP1.00未満」「被長打数35本以下」という5条件を同時にクリアしており、これは1968年のボブ・ギブソン以来2人目というレアな達成です。
つまり数値的にも“歴史レベル”であり、それが短期決戦=勝負の舞台でも再現されつつあるというのが、今回の完投勝利の背景・根拠です。
言い換えれば、群を抜いた能力を持っていて、かつ極限状態でもそれを形にできるという点で、山本由伸は“新人枠”を超えた存在になっています。
ドジャース24年山本由伸2戦連続完投まとめ
山本由伸投手はポストシーズンの大舞台で2試合連続完投勝利という24年ぶりの快挙を達成し、ドジャースをシリーズ1勝1敗のタイに戻しました。
序盤のピンチを乗り越え、終盤まで圧巻の投球を見せたことで、チームの流れを“こちら側”に引き戻しました。
打線の援護、守備の好守、中継ぎを休ませた先発完投――これらが絶妙に噛み合い、山本由伸は“流れを作る男”になりました。
数字でも内容でも、そして勝負どころでの投球でも、彼は今や“ワールドシリーズを左右する存在”となっています。
次戦以降もこの勢いを持続できるか。
ドジャースの連覇のカギは、間違いなくこの27歳右腕に託されています。
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よくある質問/Q&A
Q1:なぜ2試合連続の完投勝利がそんなに大ニュースなのですか?
A1:現代のメジャーでは先発投手が9回を投げ切ること自体が激減しており、ポストシーズンでは特に継投重視です。そんな中で2試合連続で9回完投・勝利というのは極めて異例の出来事だからです。
Q2:山本由伸の何が一番すごいのですか?球速ですか?変化球ですか?
A2:もちろん速球・ツーシーム・カーブ・スライダーと多彩な球種も武器ですが、一番すごいのは“勝負時の対応力”です。ピンチで踏ん張る、流れを渡さない、勝負どころで決める…。それが数字と実績の両方で示されています。
Q3:この完投勝利はドジャースのシリーズ全体にどんな影響を与えますか?
A3:先発が最後まで投げることで中継ぎを休ませられ、次戦以降の起用計画にも余裕が生まれます。またシリーズを1勝1敗に戻せたことで、ホーム&アウェーの流れ・心理的な優位性もドジャース側に寄りました。
Q4:この数字(防御率2.49、WHIP0.99など)はどれくらい珍しいのですか?
A4:複数指標で“超ハイレベル”を同時にクリアする投手は、過去にも稀であり、1968年のボブ・ギブソン以来2人目という評価もあります。それだけで「この投手は別格」と言っていい水準です。
Q5:今後山本由伸はワールドシリーズMVP候補になり得ますか?
A5:はい、十分その可能性があります。シリーズの流れを決める投球、数字、そして勝利へのインパクトという点で、MVP級の活躍です。さらにもう1~2試合で再び好投すれば、受賞の可能性は極めて高いと言えます。

